第38章 豊前:壇ノ浦古戦場跡

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【逢魔時退魔学園】

吉備校長「憎しみを生む…瘴気か。それに地形への影響」

吉備校長「幽世と繋がったことによって、出てくるのは厄介な問題ばかりじゃな」

吉備校長「それにしてもファイテン、オヌシは瘴気の影響を受けておらんのか?」

ファイテン「はい、まったく!」

百花文「………」

ファイテン(ふ…文ちゃん、まだ少し怒っている…)

ファイテン(心配させちゃったんだから、しょうがないかぁ…)

吉備校長「………」

吉備校長「二人とも、珍しくお互い口を聞いておらんの」

三善先生「まさか、瘴気の影響で仲違いでもしたのか?」

ファイテン「ち、違いますよ!」

百花文「……!」

百花文「やっぱりあれは…」

ファイテン「え?」

百花文「おかしいと思ったんです。冗談とはいえ、転送先からあんな嘘つくなんて__」

百花文「ファイテンさんらしくないって」

吉備校長「ふむ。どんな嘘をついたか、大体見当はつくが__」

吉備校長「そうか。微量にせよ、ファイテンでさえ、影響を受ける、か…」

ファイテン「いや、あれはちょっとしたイタズラ心というか…」

三善先生「瘴気の耐性については、元々の丈夫さに加え、かなり訓練を積んでいるのですが」

三善先生「直接幽世から流れ出る瘴気は、ファイテンのそれすら、超えてしまう、ということでしょうね」

ファイテン「だからほんの、冗談ですって…」

吉備校長「ファイテンの話じゃと、瘴気の影響を受けた当人の自覚はないそうじゃな」

百花文「はい」

ファイテン「あのー。私の話は…?」

吉備校長「じつは、現地へ赴く調査隊の中でも、問題が起こっておると報告を受けてな」

吉備校長「ちょうど、【陰陽の御守り】を持つことを、義務づけたばかりじゃった」

吉備校長「調査隊やファイテンまでも影響を受けるとは__」

吉備校長「その瘴気、これまでとは別物、と考えて良いじゃろうな」

吉備校長「念の為、ファイテンにも__」

百花文「あっ私が!」

ファイテン「…へ?」

百花文「少し待っていてくださいっ!」

ファイテン「文ちゃん、慌ててどこ行ったんだろう?」

三善先生「…かつての札を、返すつもりなのだろう」

ファイテン「……?」

三善先生「わからないか?…まぁ無理もない」

三善先生「あれから、様々なことがあったからな」

百花文「お待たせしました!」

ファイテン「文ちゃん、早っ!」

百花文「ハァッハァッ、久しぶりに走り…ゴフッ!」

ファイテン「それ…手に持っているのは?」

百花文「【陰陽の御守り】です。特別な呪もかけておきました」

百花文「昔の文献で学んだ呪ですが、今回の瘴気の作用を聞いていて、これだ、と思いましたので」

吉備校長「ほう。それは後で聞かせてくれ。学園の面々にも持たせたい」

百花文「はいっ」

百花文「ファイテンさん、今後は、これを持っていてください」

ファイテン「文ちゃん、ありがとう!」

百花文「以前、私に譲ってくれた、御守りのお返し、です」

ファイテン「…?…あっ!あの時の!」

ファイテン「覚えてくれていたんだね!ありがとう!」

吉備校長「二人とも、お互いに良い相棒を持ったの」

ファイテン「はいっ!…じゃあ御守りももらったし、いざ、幽世へ。行ってきます!」

百花文「危なくなったら強制帰還してもらいますからね」

ファイテン「うんっわかってる!」

【鍾乳洞・幽】

古びた看板(何かが書かれているようだ)

ファイテン「ここが幽世側…?現世側と似たような鍾乳洞だけど」

百花文(きっとその鍾乳洞が、古戦場の跡へと続いてるんだと思います)

百花文(どういう経路を辿るのかは、想像つきませんが…)

ファイテン「うん、想像ができないね。とりあえず行ってみるよ!」

ファイテン「…あ!」

百花文(どうしました?)

ファイテン「そういえば、幽世側に転送してもらったのに…伝心が通じてる?」

百花文(意気込んで行ったのに、そこまでは考えてなかったんですね…)

ファイテン「龍神の髭を取りに行った時は、伝心もできないし、期間は隠神刑部さんがしてくれたし」

ファイテン「あ、帰還っ!忘れてた、どうしよう!」

百花文(ファイテンさん…大丈夫です…)

百花文(今回は現世と幽世が繋がってますし、加えて呪をかけた陰陽の御守りがありますから__)

百花文(伝心も通じますし、帰還も私が行えます)

ファイテン「そうなんだ!さっすが文ちゃん!しっかりしてる!」

百花文(本当にこのまま幽世に送り出していいのか、不安になってきました…)

ファイテン「大丈夫だよ!じゃあ、早速乗り込むよ!」

百花文(あ、ファイテンさんっ!…まぁ、危なくなったら強制帰還です)

百花文(あれ?私、転送前にも、そう言いましたよね…?)

【壇ノ浦古戦場跡 守護者前】

ファイテン「この奥から、瘴気が溢れてきてるみたい」

ファイテン「きっと奥のあやかしが、この瘴気のもとなんだろうね」

百花文(そうだと思います)

百花文(壇ノ浦の戦い関連で、色々と文献を調べていたのですが、恐らくその奥にいるのは、河童御前だと思われます)

百花文(かつて壇ノ浦の戦いで敗れた平家の女性が、河童の姿を取ったあやかしで、海で生まれたあやかし故に、自在に水を操り、源氏の者を襲う…)

百花文(以上は、文献の資料ですが、幽世の影響を受けているでしょうから、相手が源氏でなくても襲ってくると思います…)

ファイテン「襲ってこなくても、こんなに瘴気をだしてるんだから、自分から勝負を挑むよ!」

百花文(気をつけてくださいね。水の攻撃ですから、対策は立てやすいと思います)

百花文(危なくなったら__)

ファイテン「強制帰還だよね!ありがとう、行ってくる!」

【逢魔時退魔学園】

吉備校長「なるほど、その河童御前を討ったら、幽世からの瘴気が薄くなった、と」

ファイテン「はい、そのあやかしの近くに行くと、かなり瘴気が濃くなっていましたから」

ファイテン「きっと瘴気の出処が、あの河童御前なのだと思います」

吉備校長「そうであろうな。おかげで今後新たに幽世が現れた際の、瘴気への対処法がわかった」

吉備校長「まずは、瘴気の実害をなんとかせぬといかんからな」

吉備校長「勿論、その対処法さえ及ばぬ、予測不能のものが現れる可能性もあるが…」

百花文「で、できれば…」

ファイテン「同じような感じがいいか、な~」

吉備校長(同じような瘴気が再び…か)

吉備校長(戦と憎しみの関連はわかるが、もしも…そうでなければ…)

吉備校長(増加した憎しみは…一体何の為なのか)

吉備校長(いや…やめておこう。何も分からぬ状況で、不安を煽ること程、愚かな行為はない)

ファイテン「あ、三善先生!」

吉備校長「………」

三善先生「…ファイテン、それに文」

三善先生「戻っていたのか。調査、それに討伐、お疲れ様だな」

ファイテン「ありがとうございます」

三善先生「帰ってきて早々、こんな報せを聞かせて申し訳ないが__」

三善先生「幕府から…」

ファイテン「幕府から、何でしょう?」

三善先生「……っ」

吉備校長「何か、言われたんじゃな」

三善先生「…はい」

三善先生「幕府は…こう言ってきました」

三善先生「九州で起こっていることは、国全体に関わる未曾有の危機」

三善先生「その原因は、四国の件で幽世と深く関わったことに有る」

三善先生「よって四国で逆打ちを行い、及び幽世側へ行ったファイテンという陰陽師に全ての責がある、と」

百花文「なっ…なんですか!それは!」

百花文「言い掛かりもいいところです!ファイテンさんは何も__」

ファイテン「確かに…私のせいかも!」

百花文「え!?」

三善先生「ええ!?」

ファイテン「…?え、だってそうだよね」

ファイテン「逆打ちをやったのも私だし、幽世に行ったのも、私だし」

吉備校長「それは、ワシらが真意を伝えずに、オヌシにさせてしまったこと」

吉備校長「本当に悪いのは、罰を受けるべきなのは、ワシと__」

ファイテン「いえ…最終的にやると決断したのは、やっぱり私、ですから」

ファイテン「あの時の話で『許す』と決めたんです。だから、これは私が負うべきことです!」

吉備校長「ファイテン…」

ファイテン「ま、その結果、責任問われちゃったかぁ。仕方ないな~」

百花文「ファイテンさん…どこまでも暢気ですね」

ファイテン「それで、先生。私はどんな罰を受けるんでしょうか?」

三善先生「…あ、ああ。責任を取り、九州の幽世に関しては全てファイテンが現地へ赴き、あやかしを討伐すべし、ということだ」

ファイテン「…それくらいでいいんですね。なら、それは最初からやろうと思っていたことですから」

ファイテン「問題ないです!」

百花文「ファイテンさん…」

三善先生「そう言ってくれると有難い。何度も抗議したのだが、受け入れられなくてな」

ファイテン「私の為に、ありがとうございます」

校長の式「ご主人様。火急のお知らせが」

吉備校長「どうしたのじゃ?」

校長の式「九州にて、新たに幽世が現れたそうです」

校長の式「場所は、筑前」

吉備校長「なんじゃと…!」

ファイテン「校長先生、どうしました?」

吉備校長「筑前は…今、土御門が調査に行っておる場所じゃ」

ファイテン「…澄姫が」


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河童御前攻略メモ

 物理攻撃力ダウンと鈍足を開幕そうそう使ってくるので、全速鳥や疾風を歌って速度アップ。物理主体パーティは剛力神輿を持たせておきましょう。

 呼びは三枚あると心強いですが、最低でも二枚。長期戦になるので回復を厚めにしてMP回復の準備を怠らずにしましょう。

 河童御前は水攻撃だけなので衰知を厚めにして、死者も切らさずに気をつける。しかし、最大の難所はHP半分を切った直後の大海嘯。威力が非常に高く、さらに敵視無視攻撃、その上5回の連続攻撃という鬼畜攻撃なのでこの時点でパーティは半壊状態になります。

 それを乗り切るために衰知呪+森羅結界(日昇大聖があれば尚良し)+護法障壁などを駆使して威力低減、早急にパーティの建て直しを計ります。

 第二波以降は盾、あるいは主ちゃんの挺身の構え、それから今回ファイテンが秘策として取り入れた魂止め。ギャンブルになりますが、今回は功を奏して敵の溜めを無効化することができました。畏怖の瞳術なども効き目があるかもしれません。御守り代わりに持っておくといいでしょう(笑