第3章 陰陽の御守り

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【逢魔時退魔学園】

004s

三善先生「次の試練だが・・・」

百花文「・・・・・・」

ドサッ!

ファイテン「え!ちょっと!どうしたの!?」

三善先生「私が見よう。少し離れていてくれ」

三善先生「・・・・・・」

ファイテン「あの、先生・・・」

三善先生「どうやら、瘴気にあてられたようだな」

ファイテン「瘴気、ですか?」

三善先生「ああ。瘴気とは、かくりよから流れてくる汚れた空気のようなもの。門の近くでは、あまり人や獣の気配は感じなかっただろう?」

ファイテン「そうですね・・・そういえば」

三善先生「濃い瘴気は、力のない人間や獣を遠ざける。瘴気の影響は陰陽師や、式を通じて補佐している方位師にも降りかかってくる・・・身体の弱い百花には、式を通じても影響が大きかったようだな・・・」

三善先生「気づけなかった私の責任だな・・・すまない」

ファイテン「いえ、私が気づいていれば・・・」

百花文「・・・・・・」

百花文「あの、先生・・・私は?」

三善先生「気が付いたのか、百花」

百花文「すみません。体調のこと、黙っていて・・・・・・」

三善先生「いや、こちらこそすまない。気遣うべきだった」

百花文「時間が経てば大丈夫だと、そう思ってしまって・・・だって、遠征の補佐が難しいならもう方位師としては・・・」

ファイテン「あのっ、先生!」

ファイテン「文ちゃん、色々教えてくれたんです。ここだけじゃなく、かくりよの門でも」

ファイテン「だから、その・・・」

百花文「ファイテンさん・・・」

三善先生「・・・そうだな。百花も、このままにしておいて良い訳ではない。気が付いたとはいえ、瘴気の影響は残っている」

三善先生「式姫の力を借りることにしよう。封印されし祠、覚えているか?」

ファイテン「はい。守護者が式姫を封印している祠ですね」

三善先生「ああ、その通りだファイテン【封印されし祠(天女)】の守護者・・・【天女を封印せしもの】を討伐して【陰の輝石】を取って来て欲しい」

三善先生「百花は一旦自宅に戻っておくこと。召喚の補佐程度は許可するが、遠見による遠征の補佐はダメだ」

百花文「わかりました・・・」

三善先生「【封印されし祠(天女)】は【上総】にある。準備ができしだい、出発してくれ」

ファイテン「はい!」

三善先生「百花・・・さっき言いかけた言葉、続きはまた後で聞かせて貰おうか」

百花文「・・・はい」

【封印されし祠(天女)】

【逢魔時退魔学園】

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ファイテン「先生!行って来ました!」

三善先生「戻ったか。ファイテン。守護者を討伐したときに【陰の輝石】が手に入ったな?」

ファイテン「えっと、これかな・・・?」

三善先生「大丈夫だったようだな・・・では、次は【封印されし祠(天狗)】の守護者討伐、になる。これも天女と同じく上総で確認されているな」

ファイテン「封印されし祠。ということは、輝石を持ってくればいいんですね?」

三善先生「その通りだ。術の力にて癒しを司る【陰の輝石】術の力にて攻撃を司る【陽の輝石】これら二つを合わせて、【陰陽の御守り】を作り出す」

三善先生「御守りの準備は私がしておこう。【陽の輝石】を頼んだぞ」

ファイテン「はいっ!」

三善先生「先ほどの試練の報酬として、天女の型紙を渡しておいた。自宅で召喚して、隊列に加えてから向かうと楽になるはずだ」

ファイテン「あの、召喚って文ちゃんは・・・」

三善先生「召喚の補佐くらいなら、今の百花でも問題はない。それに・・・これは本人の希望でもある」

ファイテン「大丈夫かなぁ・・・」

三善先生「百花も方位師として働きたいのだろう。今後の結論を出すためにも、な」

ファイテン「うっ・・・」

三善先生「天女は回復を得意とする式姫だ。召喚の前に、覚えておくといい。では、気をつけて行って来てくれ」

【封印されし祠(天狗)】

【逢魔時退魔学園】

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ファイテン「【陽の輝石】を取ってきました!」

三善先生「早いな・・・だが、助かったぞ。少し待っていてくれ」

三善先生「この符で輝石を包んで・・・鵺の皮でこうして・・・最後に、五行の気を流し込めば・・・これでよし」

三善先生「これが、瘴気から身を守る【陰陽の御守り】だ」

ファイテン「三善先生、ありがとうございます!」

百花文「ファイテンさん・・・」

ファイテン「あっ!もう出て歩いて大丈夫なの?」

百花文「はい。これくらいなら問題ありません」

三善先生「さてファイテン。陰陽の御守りだが、瘴気から身を守る効果がある。本来なら陰陽師が持っておくものだが・・・」

ファイテン「文ちゃんに渡してください」

三善先生「まあ・・・そうなるだろうな」

三善先生「百花。これはお前が持っておくといい」

百花文「いいんですか?ファイテンさん」

ファイテン「文ちゃんが元気でいられるなら、それが一番だと思うんだ。それに、私はまだまだ知識が少ないから、教えて貰いたいことも多いしね」

ファイテン「だから、これからもよろしく!・・・あ、でも具合が悪くなったら、今度こそすぐに教えてね?」

百花文「は・・・はい!」

三善先生(あのときの話の続き、聞く必要があるか?)

百花文(ちょっと何を言っているかわかりません・・・)

三善先生「(ふふ。そうだな。わかった)」

三善先生「ファイテン。試練の報酬として、天狗の型紙を支給しよう。天狗は術が得意な式姫。直接攻撃が効きにくい相手にも、大きな効果を発揮する。さあ、自宅で召喚してくるといい。もちろん、百花も一緒にな」

ファイテン「はいっ!」

百花文「はいっ!」

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