第6章 安房:乙浜漁村

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【逢魔時退魔学園】

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三善先生「次の試練は【安房】にある【乙浜漁村】になる。守護者は【不知火】海に浮かぶ火の妖怪だ」

ファイテン「はい。わかりました」

三善先生「その名の通り火属性を持っていて、広範囲に火を散らす術も確認されている。式姫の進化や合体。装備の強化を万端に行っておくこと」

ファイテン「はい、行ってきますね!」

ゼッピン「少し、良いか?」

ファイテン「ゼッピンさん・・・どうしたんですか?」

ゼッピン「うむ。そろそろお前も自らの力量がわかった頃だと思ってな」

ファイテン(あれ、なんだか雰囲気が・・・?)

ゼッピン「式姫と共に戦う陰陽師だが、自らの力に不足を感じたことはないか?」

ファイテン「えっと、それは・・・」

ゼッピン「よいか、陰陽師に足りない部分を埋めるのが式姫ではない。そして逆に式姫に足りない部分を埋めるのもまた陰陽師ではない。常に互いの欠けた部分を補い合う。そんな関係だ」

ファイテン「は、はい・・・」

ゼッピン「今後、自らの職業を変えたくなったらワシのところに来るがいい。転職に必要な証を授けてやろう」

ファイテン「わかりました!ありがとうございます!」

ゼッピン「それと、魚も忘れぬようにな」

ファイテン「大丈夫ですよーだ」

ゼッピン(しかし、もう安房への遠征とは・・・あの娘も、ここまで大きくなったか・・・)

ゼッピン(吉備よ、お前の悲願がかなうのも、そろそろかもしれんな)

【安房 乙浜漁村】

乙浜村

ファイテン「潮の匂いとベタつく風、なんというか海だね」

百花文(ええ。私も今、自宅待機の方位師で本当に良かったと思っています)

ファイテン「あの!そんな場所に遠征しているのが私なんですが!」

百花文(苦手なんですよね、海って)

ファイテン「確かに、得意そうじゃないけど・・・」

百花文(そちらのあやかしは、水辺だけあって蟹が多いそうです。殻が固いのと、傷つくと自然に少しづつ回復していくみたいですね)

ファイテン「殻が硬いなら・・・打撃で叩き割るか、術で攻撃か、だね」

百花文(はい。それと数は少ないですが、強力なあやかしもいるそうですよ)

ファイテン「そっちも気をつけないと、か。ありがとう!」

先遣隊「この村の道は入り組んでいる。気をつけておいたほうがいいぞ」

村人「祠の周りまであやかしが来るとは、驚いたなぁ」

村娘「海から蟹のあやかしが上がってくるなんて・・・」

村娘「分かれ道は良く考えて選ばないと、村人でもまよってしまいます」

村人「この先には、古くから村を見守ってくれていた鳥居があったんだが・・・」

先遣隊「この近くから門の気配がする・・・気合を入れないとな」

【安房 乙浜漁村 守護者前】

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百花文(こちらの守護者は【不知火】だそうですね)

百花文(海の沖に突如火が浮かび、徐々にそれが増えるあやかしです)

百花文(人に危害を加えた記録はありませんが、漁の際には邪魔になりそうですね)

ファイテン「人に危害を・・・かぁ。確かに、あやかしが危害を加えたって話は余り聞かないね」

百花文(耕作や漁ができないことは生活ができないことですし、かくりよの門は放置できませんね)

百花文(それに、いくら安心と思っていても、目に見えたり音が聞こえるのは・・・)

百花文(ゴフッ!)

ファイテン「わっ、文ちゃんが想像しただけで血を吐いた!討伐したらすぐに戻るね!」

ファイテン(澄姫は、いないのかな?進化した式姫もいるだろうし、私より早いと思ったんだけど・・・)

【逢魔時退魔学園】

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三善先生「乙浜漁村の守護者を倒したようだな」

ファイテン「はい、三善先生」

百花文「無難に討伐したのですから、あまり怒らないであげてくださいね・・・?」

三善先生「あの時は私も言いすぎた。だがファイテンは調子に乗りやすいからな。このくらいがちょうどいい」

百花文「ふふっ。そうかもしれませんね」

ファイテン「あのー。できれば本人の前でそういう話は・・・」

三善先生「耳が痛いのなら、言われない努力をすることだぞ」

ファイテン「はーい」

三善先生「乙浜漁村の守護者を討伐したことで、新たに封印されし祠が見つけられるはずだ。一段落したら確認しておくといいだろう。ではこちらからは以上だ。これからも精進を」

ファイテン「事前に情報もあった、かあ」

百花文「どうしました?また考え事ですか?」

ファイテン「ちょっとね・・・どうして守護者の情報が正確に伝わっているんだろう」

百花文「雷獣の手落ちもありましたし、先遣隊からの報告ではないでしょうか」

ファイテン「それもあると思うけど・・・それに、門を閉じてもあやかしが減ってないのよね」

ファイテン(どういうことなんだろう、これは)


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