第7章 常陸:霞ヶ浦浮橋区

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【逢魔時退魔学園】

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三善先生「だいぶ力を磨いたようだな。霞ヶ浦地域への遠征を許可しよう」

ファイテン「ありがとうございます!」

三善先生「【常陸国】にある【霞ヶ浦浮橋区】は観光地と同時に重要な漁業地帯。釣りの技能が高ければ、恩恵も多く受けられるかもしれんな」

三善先生「守護者は【殿様蛙】だ」

ファイテン「えっ・・・か、蛙、ですか!?」

三善先生「ふむ・・・蛙は苦手だったか?」

百花文「思わず吐血しちゃうほど苦手です・・・」

三善先生「なんだ。いつものことだな」

ファイテン「そうですね、どうやら大丈夫だと思います」

百花文「ひどいっ!反論もできないけど!」

三善先生「蛙と言えば、その分泌物で打属性に強く、水属性に対しても強い耐性を持つ」

ファイテン「あ、あの・・・ガマの油なら斬っても無駄では?」

三善先生「あんなモノはただの見世物だ。気にする必要はないぞ」

【常陸国 霞ヶ浦浮橋区】

霞ヶ浦

ファイテン「蓮の花に浮橋。これ、沈んだりしないよね?」

百花文(そこは大丈夫だと思いますよ。うっかり足を滑らせない限りは)

ファイテン「もしそうなったら、すぐ帰還して文ちゃんにもお裾分けしようかな」

百花文(ゴフッゴフッ!ゴホッ!?)

百花文(想像して、血を吐いちゃいましたよ!)

ファイテン「はいはい。恒例が終わったし、ここの特徴とかわかるかな?」

百花文(最近、私の扱いが酷いような・・・ええっと)

百花文(釣りができる場所が多いようです。魚から素材まで釣れるそうですね。ただ、要求される技能が少し高いみたいですよ)

ファイテン「釣りかあ。あやかしが釣れちゃうこともあるんだよねえ」

百花文(それと、ここは守護者だけじゃなく、蛙のあやかしが多いみたいです」

百花文(自宅待機って本当にいいものですね)

ファイテン「今、凄くいい笑顔で笑ったよね。絶対・・・」

武士「入り組みすぎているな。手分けが必要だ」

先遣隊「近くに見えても道のりは遠い。見極めを誤らないようにな」

先遣隊「釣りでしか出会えない。そんなあやかしもいることを覚えておけ」

武士「この先にあるかくりよの門から、蛙の鳴き声がするんだ・・・」

【常陸国 霞ヶ浦浮橋区 守護者前】

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ファイテン「【殿様蛙】かあ・・・きっと大きいんだろうね」

百花文(また血を吐かせようとしています?大丈夫。聞いていないフリをしますから!)

ファイテン「いや、フリで大丈夫ならこれからもそうして欲しいかな!」

百花文(大陸では、神様として奉られていることもあるんですよね、蛙)

ファイテン「へぇ、そうなんだ。絵巻では見たことあるけど」

百花文(私には絶対に見せないでくださいね)

百花文(恐る恐る調べましたが、蛙は縄張り意識が強いそうです)

百花文(守護者ともなれば、抵抗も必死でしょう。季を付けてくださいね)

ファイテン「ん、わかった。ありがとう」

ファイテン(この間から考えていた、門や他の人のこと。戻ったら先生に聞いてみよう)

【逢魔時退魔学園】

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ファイテン「浮橋区の守護者を討伐してきました。その上で・・・先生、質問があります」

三善先生「報告も早々に質問か・・・まあいい。何か聞きたいことでもあったのか?」

ファイテン「これまでの遠征、先遣隊の方もいました、守護者の情報もありました。そして、大多喜村では澄姫も雷獣を討伐していました」

ファイテン「なのに、門を閉じてもあやかしが去らず、新たに守護者が現れるのはなぜですか」

三善先生「・・・思ったよりも早く、その疑問に達したか・・・」

三善先生「だが、今ここでは答えることはできない。今少し研磨つめば、校長先生から話があるだろう。私からは、これ以上は答えられない。一応、質問があったことは伝えておこう」

ファイテン「・・・はい、わかりました」


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