【逢魔時退魔学園】
土御門澄姫「あら、ファイテンじゃない。これから試練を受けに?」
ファイテン「うん。そろそろ門が開くかな、って。なんとなく最近わかるんだよね」
土御門澄姫「遠江の話は聞いたわ。かくりよの門を閉じているときにそんなことがあったなんて」
土御門澄姫「行方不明者は見つかったとされたけど、校長先生が私だけはって教えてくれたわ」
ファイテン「あ、澄姫も遠江の門を閉じたんだ。それなら・・・」
土御門澄姫「残念ながら、だけど私はまだね。・・・自分でわかる・・・から」
ファイテン「そっか・・・って、あれ?」
土御門澄姫「うん?」
ファイテン「それならなんでこう!いつものように突っかかってこないの!?」
土御門澄姫「焦って力をつけてもいいことはないわ。方位師の力があるとはいえ・・・って、なんで私が、いつもファイテンに突っかかってるみたいに言うのよ!」
ファイテン「えー。だって・・・」
土御門澄姫「言わんとしていることはわかるわよ。けど、校長先生が私にだけ教えてくれたことだもの。その真意を汲まない訳にはいかないでしょう?たとえそれが、気に喰わなくても!」
ファイテン「気に食わないって言った!今、気に食わないっていったよね!?」
三善先生「全く・・・お前らは少し声の大きさをだな・・・」
土御門澄姫「あっ、三善先生」
三善先生「ファイテン。お前の察した通りだ。陸奥の国に新たなかくりよの門が出現した。遠征先は火山になる。登山になるぞ」
ファイテン「まあ、歩くことには慣れてますし」
三善先生「土御門も恐らくはすぐだろう。遠征の準備をしておくのだな」
土御門澄姫「はいっ」
三善先生「火山に開いたかくりよの門に至るには、まず火山湖から麓に近づく必要がある」
三善先生「現地に先遣隊を手配しておいた。登山を迎える前に一息つくのだな」
ファイテン「わかりましたー!」
三善先生「今度の遠征先、陸奥火山湖では、その煙や霧を媒体としたあやかしが多い。物理攻撃や特定の術が特に効きにくい。編成もよく考えておくように」
【陸奥国 火山湖畔】
ファイテン「火山湖かぁ・・・こういうのって噴火でできるんだっけ?」
百花文(そうみたいですね。そのせいか、魚が生息することはほぼないようです)
ファイテン「せっかく釣り具を持ち歩いているのに、ここだと無駄になっちゃうかな?」
百花文(そうとも限りません。あの浮橋区のように、ここでは素材が釣れるみたいです)
ファイテン「うーん・・・便利なのかもだけど、それはそれで寂しいね」
百花文(三善先生の仰っていたとおり、そちらのあやかしは非常に厄介みたいですね)
百花文(攻撃が通じにくいと思ったら、一旦帰還して編成や技、術の構成を見直すのも手ですよ)
ファイテン「うん。まずは進んでみようかな。行って来るね!」
先遣隊「この地にいるあやかしは極端な耐性がある。相手の色に注目しておくんだ」
武士「渡し船を使って先に進むのだぞ」
村人「火山湖からは魚が釣れない。だが、その代わりに妙なものが釣れるらしいぞ」
村人「火山が噴火する様子はねぇんだが、煙が多いんだよな・・・なしてだかはわかんねぇ」
村娘「この奥からは船で火山の麓へいけるけど、そこからは登山できないのよね」
村人「昔はここからも登れたんだが、今は見ての通りだ」
【逢魔時退魔学園】
三善先生「無事に登山の目処がついたようだな。お疲れ様だ」
ファイテン「ありがとうございます。それにしても、疲れました・・・」
三善先生「今までのあやかしとは勝手が違っただろう?ここから先はさらに数は多くなるぞ」
ファイテン「うぇー・・・」
三善先生「そうイヤそうな顔をするな。では、続けて試練を受けるといい」