第15章 陸奥:火山湖畔

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【逢魔時退魔学園】

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土御門澄姫「あら、ファイテンじゃない。これから試練を受けに?」

ファイテン「うん。そろそろ門が開くかな、って。なんとなく最近わかるんだよね」

土御門澄姫「遠江の話は聞いたわ。かくりよの門を閉じているときにそんなことがあったなんて」

土御門澄姫「行方不明者は見つかったとされたけど、校長先生が私だけはって教えてくれたわ」

ファイテン「あ、澄姫も遠江の門を閉じたんだ。それなら・・・」

土御門澄姫「残念ながら、だけど私はまだね。・・・自分でわかる・・・から」

ファイテン「そっか・・・って、あれ?」

土御門澄姫「うん?」

ファイテン「それならなんでこう!いつものように突っかかってこないの!?」

土御門澄姫「焦って力をつけてもいいことはないわ。方位師の力があるとはいえ・・・って、なんで私が、いつもファイテンに突っかかってるみたいに言うのよ!」

ファイテン「えー。だって・・・」

土御門澄姫「言わんとしていることはわかるわよ。けど、校長先生が私にだけ教えてくれたことだもの。その真意を汲まない訳にはいかないでしょう?たとえそれが、気に喰わなくても!」

ファイテン「気に食わないって言った!今、気に食わないっていったよね!?」

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三善先生「全く・・・お前らは少し声の大きさをだな・・・」

土御門澄姫「あっ、三善先生」

三善先生「ファイテン。お前の察した通りだ。陸奥の国に新たなかくりよの門が出現した。遠征先は火山になる。登山になるぞ」

ファイテン「まあ、歩くことには慣れてますし」

三善先生「土御門も恐らくはすぐだろう。遠征の準備をしておくのだな」

土御門澄姫「はいっ」

三善先生「火山に開いたかくりよの門に至るには、まず火山湖から麓に近づく必要がある」

三善先生「現地に先遣隊を手配しておいた。登山を迎える前に一息つくのだな」

ファイテン「わかりましたー!」

三善先生「今度の遠征先、陸奥火山湖では、その煙や霧を媒体としたあやかしが多い。物理攻撃や特定の術が特に効きにくい。編成もよく考えておくように」

【陸奥国 火山湖畔】

火山1

ファイテン「火山湖かぁ・・・こういうのって噴火でできるんだっけ?」

百花文(そうみたいですね。そのせいか、魚が生息することはほぼないようです)

ファイテン「せっかく釣り具を持ち歩いているのに、ここだと無駄になっちゃうかな?」

百花文(そうとも限りません。あの浮橋区のように、ここでは素材が釣れるみたいです)

ファイテン「うーん・・・便利なのかもだけど、それはそれで寂しいね」

百花文(三善先生の仰っていたとおり、そちらのあやかしは非常に厄介みたいですね)

百花文(攻撃が通じにくいと思ったら、一旦帰還して編成や技、術の構成を見直すのも手ですよ)

ファイテン「うん。まずは進んでみようかな。行って来るね!」

先遣隊「この地にいるあやかしは極端な耐性がある。相手の色に注目しておくんだ」

武士「渡し船を使って先に進むのだぞ」

村人「火山湖からは魚が釣れない。だが、その代わりに妙なものが釣れるらしいぞ」

村人「火山が噴火する様子はねぇんだが、煙が多いんだよな・・・なしてだかはわかんねぇ」

村娘「この奥からは船で火山の麓へいけるけど、そこからは登山できないのよね」

村人「昔はここからも登れたんだが、今は見ての通りだ」

【逢魔時退魔学園】

ファイテン 三善

三善先生「無事に登山の目処がついたようだな。お疲れ様だ」

ファイテン「ありがとうございます。それにしても、疲れました・・・」

三善先生「今までのあやかしとは勝手が違っただろう?ここから先はさらに数は多くなるぞ」

ファイテン「うぇー・・・」

三善先生「そうイヤそうな顔をするな。では、続けて試練を受けるといい」


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