第26章 関が原 明之刻

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【逢魔時退魔学園】

吉備校長「いよいよ関が原・・・か」

吉備校長「さて、どのような決着となるのか。望むべくは・・・そして、ワシの罪の清算もせねばなるまいな・・・」

・・・・・・

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ファイテン「校長先生!戻られたと聞いて飛んできました!」

百花文「そして、新たなかくりよの門が開いた、とも・・・」

吉備校長「ああ、その通りじゃ。門が開いたのは【美濃国 関が原】古戦場付近になる」

ファイテン「その地名は、座学で聞いたことがある気がします!」

吉備校長「関が原はそれ自体は宿場町となっておってな。まずは宿場町を経由したのち、古戦場付近へと赴くことになる」

百花文「宿場町にも、守護者のような存在が・・・?」

吉備校長「いや、違うな。古戦場とは言え、たかが数百年前の出来事じゃ」

ファイテン(数百年をたかが、って言うのもなんだかすごいよね・・・)

百花文(他の【古戦場】はもっと時代が戻りますし、そういうものかもしれません」

吉備校長「それ故、未だ戦場には瘴気が残っておる。瘴気空間ほどではないが・・・転送するにはまだ危険があってな。中間地点を確保して欲しい」

ファイテン「となると、まずは宿場町の踏破ですね。わかりました!」

吉備校長「中間地点に到達したら、またここに戻ってくるがよい。改めて先のことを伝えよう」

ファイテン「はーい」

【関が原 明之刻 あけのとき】

関が原明の刻

ファイテン「かくりよの門まではまだ遠いのかな。ここは瘴気が薄いね」

百花文(そうですね。薄い、とは言え童子の小江戸ほどはありますが、一般的な暮らしや宿場としてはまだ機能しているようです)

ファイテン「まずは中間地点まで、って言っていたし、とにかく進むしかないかな」

百花文(関が原は古戦場であったせいか、亡霊武者が多く出現するようです)

百花文(過去に討伐した骨武者などとは違い、槍や弓を装備しているものもいます)

百花文(槍と刀は範囲攻撃を持つようなので、対応の順番に注意してくださいね)

ファイテン「うんっ、ありがとう!」

先遣隊「この地は過去に2回大きな戦があったせいか、武士の姿を模したあやかしが多いと聞いている」

行商人「茶屋で一休みしてみてはいかがかしら。薬なども扱っていますよ」

町娘「そういえばさっきあなたと同じような服を着ていた子を見かけたわ」

町娘「嫌なことがあると、ここにお祈りに来るんだ。あやかしなんかいなくなればいいのに・・・」

住職「あやかしが存在するなど世迷言です。神に祈りを捧げればすべて解決するでしょう。さあ、あなたも祈りを捧げてください」

町人「あやかしが出るんじゃ仕事も手につかねぇや。あんた陰陽師なんだろ?さっさと退治してくれよ」

武士「鍛錬のために近くの山を登ったが、何だか妙な寒気に襲われてな。しばらくは近づきたくねえな」

先遣隊「君が学園から来た陰陽師か。かくりよの門はあの山の中だが、一旦、学園に戻るといい」

【逢魔時退魔学園】

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吉備校長「どうやら古戦場へ進む足がかりは作れたようじゃな」

ファイテン「はい。そこまでは苦戦はしなかったかなーって思っています!」

吉備校長「まあ、今のオヌシの力量ならばそうであろう」

吉備校長「・・・・・・」

ファイテン「あの、校長先生・・・?」

吉備校長「あ、ああ。すまんの。そうじゃな・・・」

吉備校長「悪よ。オヌシならばわかるであろう。土御門がどこにおるか」

ファイテン「澄姫が・・・!」

ファイテン 悪路王 校長

悪路王「吾を小間使いのように扱うな」

吉備校長「すまんな。じゃが、土御門に力を渡したオヌシの言葉であればファイテンにも届くであろう。ワシは推測に過ぎぬ」

悪路王「・・・まあ良い。お前の推測は正しいぞ、泉よ」

悪路王「ファイテン」

ファイテン「はいっ!」

悪路王「吾が力を与えた土御門は関が原のかくりよの門に居る」

悪路王「お前を待っているのだろう。動く気配もそのつもりもなさそうだ」

ファイテン「澄姫が・・・いるんですね!わかりました、すぐに・・・いえ。落ち着いて、急いで門を閉じてきます!」

・・・・・・

悪路王 校長

吉備校長「行ったようじゃの」

悪路王「土御門の決意は固そうだ。お前から伝えるべきではなかったのか?」

吉備校長「ワシからの言葉である必要はない。弁解も入ってしまう」

吉備校長「当事者の言葉であればこそな」

悪路王「その結果、教え子と戦うこととなってもか?」

吉備校長「それはそれで、罪の清算にはなろう」

悪路王「そうか・・・」

吉備校長「ん?どうした悪よ。楽しそうじゃな」

悪路王「なぁに吾の力と目を得たものがお前と戦うのもそれはそれで面白い。飽かずにすみそうだと思ってな」


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