第23章 美濃楽市楽座

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 1

【逢魔時退魔学園】

ファイテン 三善

ファイテン「・・・・・・」

三善先生「どうしたファイテン。疲れているようだな」

ファイテン「う、うーん・・・確かに、少し疲れているかもですね」

ファイテン「あっ、大丈夫ですよ!毎日楽しいですから」

三善先生「そうした言葉が出ることがすでに不安なのだがな・・・)

三善先生「少し、息を抜いてくるといい。【美濃国】の【楽市楽座】は知っているか?」

ファイテン「えっと、確か昔に誰かが・・・」

004.png

百花文「足利将軍時代に行われた市場のことですね」

ファイテン「文ちゃん」

百花文「ファイテンさん!疲れた顔で出て行かないでください!」

百花文「心配したんですからね!」

ファイテン「う・・・ご、ごめん」

三善先生(やはり、自宅でもそうなのか?)

百花文(はい。最近色々ありましたし、あの人も・・・見かけませんしね)

三善先生「楽市や楽座は商人による取引の活性化を狙って生まれたものだ」

三善先生「だが、今は歴史座学の時間ではない。気になったら調べておくと良いだろう」

三善先生「制度としての楽市楽座は無くなったが、名残りというのだろうか。美濃国では、今でも商人が多く集う場所があり、古今東西のものが集うそうだ。それこそ、山海の珍味も含めてな」

ファイテン「なんだか凄そうですね!古今東西、かあ・・・」

三善先生「かくりよの門関係ではないが、特別に美濃国への転送を許可しよう」

ファイテン「えっ、いいんですか!?」

三善先生「息抜きをしろ、と言ったぞ。人の活気に触れてくるといい」

ファイテン「それなら文ちゃんも」

百花文「あくまで現地への【転送】ですし、私は残っていますよ。それに、人が多いと・・・ゴフッ!」

ファイテン「ん・・・わかった!それじゃ、おみやげ買って来るね!」

百花文「はい!楽しみにしていますね!」

三善先生「楽市の場所は文に伝えておこう。あまり羽目を外しすぎるなよ?」

ファイテン「はいっ!」

【美濃国 楽市楽座】

美濃楽市楽座

ファイテン「ねえ、文ちゃん。この気配は・・・」

百花文(あやかしですね・・・今だけは、出て欲しくなかったですけれど)

ファイテン「そんなことないよ!むしろ早く対応できるんだから!」

百花文(・・・ファイテンさん)

文 ファイテン 悪路王

悪路王「見たところ、まだあやかしが根付いてはいないようだな。ほんの数刻前に現れた。と言っても間違いあるまい」

百花文(三善先生からの伝言です)

百花文(『こうなってしまっては仕方ない。すまないが調査を頼む。事態が急で学園では対応できない。先遣隊もも準備中だ』だそうです)

百花文(地元の方に話を聞きつつ、調査する形になりますね)

ファイテン「・・・地元の人、か・・・」

悪路王「案ずるな。かの地とは事情が違う。感謝こそされ、批難はなかろう」

百花文(悪路王さん・・・)

悪路王「先に進むぞファイテン。足を止めることが望みではなかろう?」

ファイテン「そうですね・・・はい!その通りです!」

奉行人「む、貴様のその出で立ち・・・陰陽師か。丁度いい、少し調査を願いたい」

商人「三河で獲れた魚を仕入れてきたけど、どうするかな・・・ここで干して売るのもなんだし」 商人の娘「あやかしってこういうものなんだ・・・陰陽師が増えてきたら、傷薬とか売れたりするのかな?」

町人「あやかしが出てきたけど、皆、店を続けるかどうか迷ってるみたいだな。俺はとっとと店を畳んだけどね。サボれるし」

料亭の看板娘「いらっしゃいませ!・・・と、言いたい所ですけどごめんなさい。まだウチの店は開けてないの」

美濃の守衛「店主が避難した露店もあるから、盗みが起きないように見回り中だ。盗罪は美濃ではに特重いぞ」

商人「あやかしが出た!・・・なんて言ったら旦那が逃げちまってねぇ。大の男がだらしないよ!」

雑貨屋「子供の遊び道具は売れ難いねぇ。【ぜいたく屋】なんて言われているからか」

釣具屋「木曽、長良、川釣りするならウチの釣竿と道具を是非!」

美濃の守衛「この辺りはまだ商いをつづけているようだな。危機感が無いのか商魂が勝っているのか・・・」

古本屋の娘「あー貸した本取りに行かなきゃ。でもめんど・・・忙しいからなーどうしようかなー」

古本屋「全く、この子ったら・・・珍しいものに目が無いから貸本屋に行かせてるけど、考えものね」

雑貨屋「片付けしながらだけどお店はまだ開けているわ」

町娘「ここには色々なものが売っているけど、普通じゃないから人が使うようなものはほとんどないんじゃないかしら」

宿場の女将「おやいらっしゃい。部屋は空いてないけど、休憩ぐらいだったら構わないよ」

美濃の露天商「あやかしを見た!ってヤツもいたな。実物を目にするまではなんとも言えんが、もし出てきても大丈夫だろ、多分」

美濃の守衛「・・・自宅前で売っている者は、家内に避難する時は物を片付けろ、とは思う」

神社の宮司「おや、江戸の退魔学園の方ですか?最近そのお姿の方を良く見ますよ。この間もあなたぐらいの年の娘が来ましたし」

奉行人「とうとう、ここにもあやかしが・・・近々、何か良く無い事でもあるのだろうか」

美濃の守衛「どうやらあやかし共は町を抜けた奥の山城跡からこちらに来ているようだな」

串焼屋「あやかしが出たからっつったって、焼いた串全部売れるまで動くに動けねぇぞ!」

ほろ酔いの侍「案ずるな店主。あやかしが出たら拙者が切り捨てるわ。・・・だからもう一杯」

町人「知り合いのお奉行が実家で、あやかしを見た事があるらしくてね。ついさっき売り物を片付けて帰ってきた所だよ」

行商人「何やら慌しいですね。まあ、事が終わるまで待っています」

美濃の守衛「この辺りの商人達はあらかた帰ったよ。しかし、話に聞いていた程では無いような」

美濃の守衛「もう少し先まで行くと、山城跡がある。見た目は石垣しか無いが、中に入れるぞ」

奉行人「あれ、あんた飛騨で・・・そうか、まだ俺たちの為に動いてくれているんだな」

【逢魔時退魔学園】

ファイテン 三善

三善先生「すまなかったな。休暇のつもりだったのだが・・・」

ファイテン「三善先生が謝ることじゃないですよ。それに、気は紛れましたから!」

三善先生「引き続きになってしまうが、今回の件に関して校長先生から話があるようだ。続けて試練を受けて欲しい」

ファイテン「大丈夫です!任せておいてください!」

三善先生(危ういな。この子は小さい頃から、隠し事が下手だった。人のあしらいは上手いが、自分の気持ちは扱いづらいか・・・)


« 前のページ / 次のページ»