第12章 甲斐:金山洞窟

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【逢魔時退魔学園】

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三善先生「先に進むと決意したせいかもしれんな。新たなかくりよの門が確認された。ファイテンが強くなった証だろう」

百花文「立派に宣言されていましたね。少しおいていかれたきぶんでもありましたが」

ファイテン「あの、あまり繰り返されても恥ずかしいと言うか・・・」

三善先生「開かれたかくりよの門は【甲斐国】の【金山洞窟】だ」

三善先生「元々は良質な金を産出していたが、近年はめっきりらしくてな。負の感情と、命を落としがちな鉱山の仕事。相まってかくりよの門が開いたのだろう」

百花文「それでも、採掘はまだ続いているのでしょうか?」

三善先生「その通りだ・・・瘴気にさらされた金は変質し、【妖金鉱】となる。金山はすでに妖金鉱だらけだと思うが、閉山したという話は聞かない」

三善先生「妖金鉱は、一般には何の価値もないが、集めている好事家(こうずか)

もいる・・・お前たちが私に黙っていた、あの商人が希少な素材と交換してくれるだろう」

ファイテン「げげっ!」

百花文「あちゃ、知ってましたか」

三善先生「当たり前だ。全く・・・どの道、新たな装備には必要となる。妖金鉱も集めておくといい」

ファイテン「はいっ!」

【甲斐国 金山洞窟】

甲斐金山

ファイテン「空気が悪い・・・ってわけでもないけれど、雰囲気が重いね」

百花文(そうですね。私が現地にいたら、身動きが取れなくなりそうです)

ファイテン「・・・なんだか文ちゃん、私をすごく頑丈だと思ってない?」

百花文(それは、私に比べれば障子と土壁くらいは・・・)

ファイテン「例えに悪意を感じるんだけど、気のせいかな!」

百花文(ゴハッ・・・!)

ファイテン「あっ、またそうやって誤魔化す!」

百花文(ま、まあファイテンさんの頑丈さはさておき・・・)

ファイテン「さておかれた・・・」

百花文(ここでは、洞窟の灯りとなる火のあやかしや、蝙蝠が確認されています)

百花文(火には水、飛んでいるものには刺突の攻撃。覚えておいてくださいね)

ファイテン「ん、行ってくる!」

先遣隊「ここのあやかしは火を使うものが多い。耐性を考えてもいいかもしれんな」

行商人「昔はここ、賑わっていたんですがね・・・」

採掘者「あやかしが出てから、まともな金がほっとんど出ねぇんだよ」

採掘者「妖金鉱なら好きに持って行ってくれ。オラたちにゃ、不要だ」

先遣隊「しょうけらに気を付けろ。守護者に劣らぬほどの力を持っている」

採掘者「あっちゃあ・・・これじゃ通れねえな・・・」

採掘者「オラもたまに道に迷うくらい、ここは入り組んでるだよ」

先遣隊「疲れた顔をしているな。この先に、採掘者の集落があるぞ」

採掘者「・・・・・・疲れたな」

疲れた男「休みたい・・・いっそ怪我でもしねぇかな・・・」

採掘者「日の光って、温かいものなんだなぁ・・・」

採掘者「金・・・最近みてねぇな」

金山顔役「最後の一人になっても、掘り続けるのが俺たちってもんだ」

採掘者「この奥になんちゃらの門があるらしいが、俺たちには関係ないな」

【甲斐国 金山洞窟 守護者前】

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百花文(長い洞窟でしたね。あやかしのせいか、灯りは大丈夫そうでしたが)

ファイテン「そうだねー。少し息苦しかったけど、なんとかここまで!)

百花文(術やあやかしの火は、普通の火とは少し違うみたいですね)

百花文(もしあれが普通の火だったらと思うと・・・ぞっとしてしまいます)

ファイテン「・・・・・・」

百花文(・・・・・・)

ファイテン「あれ?血は大丈夫なの!?」

百花文(私だっていつもそうじゃありませんよ!)

ファイテン「えー・・・なんだか寂しいなぁ」

百花文(ひどいこと言われてますね・・・)

百花文(守護者は【火車】死んだ方の亡骸を運ぶあやかしです。姿は色々な伝承がありますが、ここの守護者は大きな車輪みたいですね)

ファイテン「火車っていうからには、やっぱり?」

百花文(ええ、水の属性が効果的だと思います)

百花文(あの、ファイテンさんは・・・運ばれないでくださいね?)

ファイテン「うん。大丈夫!危なくなっても文ちゃんがいるしね!」

百花文(ありがとうございます。私も張り切って応援してますよ!)

【逢魔時退魔学園】

ファイテン 三善

三善先生「金山洞窟から戻ったようだな。お疲れ様だった」

ファイテン「凄く体中が埃っぽい気がします・・・」

三善先生「報告が終わったら、軽く水で流しておくといい。百花が、準備すると言って自宅に戻って行ったぞ」

ファイテン「あっ、それ助かります!帰ったら、文ちゃんにお礼言っておこう!」

三善先生「ファイテンの力も強くなった。そろそろ、私も抜かれてしまうかもな」

ファイテン「うーん・・・まだもうちょっと、ですかね」

三善先生「ふふっ、そこで謙遜しないのがファイテンらしいな。土御門も順調に試練を達成している。二人の教師として、嬉しく思うぞ」

ファイテン「澄姫もかぁ・・・まーた顔を合わせたら絡んで来るんだろうなぁ」

三善先生「共に競える仲間がいるのはいいことだ。例え一方的だとしても、な」

ファイテン「あはは・・・先生もなかなか言いますね!」

三善先生「次の試練があれば、また呼ぶだろう。それまで鍛錬を怠らないようにな」

ファイテン「はいっ!」


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コメント

  1. 千秋 より:

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    お大事に。
    更新待ってるぞ~!

  2. ファイテン より:

    SECRET: 0
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    ただいまー♪
    応援ありがとうございます༼ ^q^ ༽