【EQ】第27話「ウエストコモン魔の宿屋」

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#1「ポポ助の処世術」
#2「その名前もキズディーン・ジックス」
#3「油断大敵」


ポポ助の処世術

 徐々にこの界隈の地理に明るくなってきた吟遊詩人ポポ助。最近はイーストコモン(EC)のオークキャンプに出向いているんだ。レベル的においらに向いている気がしてね。

 さっそく行ってみると、2、3人のパーティがあちこちに点在していた。レベルも近い。やはりここに来てよかったよ。でも毎回そうなんだけれど、最初の一人と出会うまでが結構ドキドキなんだよね。小心者だからおいら(笑)

 まわりにいる人たちのレベルとクラスをチェックしていると、さっそくパラディンがおいらに声を掛けてくれたんだ。名前はフェイデル(Phaydel)おいらよりも二つ上のLv13だった。

 おいらの処世術は、自分は英語ダメだからリーダーを頼むよって最初に言って、その他のメンバー集めはお任せするんだ。後は適当に「Yeah!」とか言いながらバードの仕事をこなす、いわゆるコバンザメ型。最初の頃はこれだけを伝えるのにも苦労したけど、最近ではこんな感じの英会話を使っているよ。

 By the way, I can’t understand English with many words.
  ところでおいら、たくさんの言葉はダメなんだ。

 I act with seeing your movement or only easy words, OK?
 君の動きとか簡単な合図で動くからそこのところヨロシクね。

 たいがいはこれで分ったって言ってくれるし、中にはCoolって言う人もいるよ。どこがクールなんだかおいらには分らないけどね。ランボーみたいな寡黙な戦士って印象なんだろうか?(笑)

 おいら達は少しの間、湧いて出るオーク共を狩っていたんだけど何せフェイデルはおいらよりもレベルが二つも高い。おいらに向かってすぐにこう言ってきた。

 フェイデル:私には全部グリーンに見えるよ。場所を変えたいがどうかな?

 ポポ助:OK、じゃあそうしよう。君にお任せするよ(I follow you)

 彼の後を付いてゾーンの壁を越えるとそこはウエストコモン(WC)っていうゾーンだった。今まで3つのゾーンを渡り歩いて来たけどWCは初めてだな。もう見るからに強そうな熊とかがウヨウヨしていてさ、おいらとしてはドキドキなんだ。

 北の山岳地帯に付くとDervishのキャンプがあって、強者のハンター達がひしめいている。すると、さっそくパラディン・フェイデルの仲間集めが始まった。

 Room for 2 in the group?(二人入れるグループにないかい?)多分そんなニュアンスだと思うけど、今度おいらも使ってみよっと。

PHAYDEL004 するとおいらの好きなオーガ族の戦士が近づいてきて、パーティに仲間入りしてきた。名前はクリティック(Kritik)Lv12Warrior。レベルの割りにいいアーマーとか着てるから本当は高レベルプレーヤーである可能性大だな。

 オーガ族を選ぶ人って他の種族を極めていて、今度はEvilでプレイっていうマニアックな人が多い気がする。だからプレイしていても気持ちがいいのかもしれないね。


その名前もキズディーン・ジックス

PHAYDEL005

 ここのキャンプで湧くNPCは妖精以外の人型クリーチャー(ヒューマン、オーガ、エリュダイト、バーバリアン)で構成されているんだけど、/conで強さ確認をしてみてもおいらには真っ赤に見えるほど強い奴等ばかり。みんなはこいつらの事をDervish(修道僧)って呼ぶんだ。

 特にエリュダイトとオーガは魔法攻撃をしてくるからおいらの「魔法防御の歌(Elemental Rhythms)」がフル回転になるんだ。タンクはいくら装甲が厚くても魔法には弱いからね。おいらも武器を楽器に持ち替えて歌唄いに専念できるよ。

 しかしこの二人のソルジャーは本当に強い。どちらもアタックポイントが20を上回っているんだ、平均値でね。おいらなんかがいくら頑張ってもせいぜい10ポイントだからね。だからおいらが「タコ殴りの歌(Anthem de Arms)」を唄うとあっという間にかたが付いちゃうんだ。タンクがもう一人増えたぐらいにね。

 クリティック:うー腹減ったあ。 3人でかなりのNPCを叩いたあとでオーガ族の戦士が言った。

  フェイデル:ああ、俺も減ってきた。誰か食料調達出来るやついないか?

  クリティック:ポポ助はスピードソングが唄えるんだろ?

 ポポ助:ん?ああ、唄えるよ。(いっしょに付きあえって言っているのかな?)

  クリティック:じゃあ、ひとっ走り行って水と食料を調達して来てくれないかい?

 水と食料が欲しいっていうニュアンスは伝わってくるんだけど、長文になるとチンプンカンプンなおいらは当然彼らもいっしょに行くんだろうと思っていたんだ。するとトレードウインドウが開いてクリティックがおいらに金貨8枚を差し出したんだ。

  ポポ助:What buying this money?(何買う、この金?・・・・これじゃ原始人だな^-^;)

  フェイデル:水と食料だよ。

 ポポ助:・・・・・・I see.(お、おいら一人でかい?ウエストコモンなんて全然分らん土地だぞ〜〜)だが、自分の意志を英語に出来ないのに加え意志薄弱なおいらは、未知の土地にパンと水を買いに行くことになったんだ。

 方向探知(Sense Heading)を使って方角を計り、感を頼りに進んでいくとやがて街道に出た。その道を西にたどると宿屋が見えてきたよ。ふう、これで一安心か。

 ドアを開け宿屋のおやじに水と食料を注文すると、どこからともなく獣のうめき声が聞こえてくる。たぶん店の外に熊でもいるんだろう、おいらそう思って大量の食料をザクザク買い込んでいたんだ。

 ガツン、ゴツン!

 れれ?食料を買うだけでなぜポポ助がダメージを受ける?・・・・不審に思いおいら装備と持ち物のウインドウを閉じてカウンターの上を見え気たんだ。

 な、なにぃぃぃぃ〜〜〜!

 どこから入ってきたのかカウンターの上にピューマがいるじゃないか!強さは青色(まあまあの強さ)。なんだ、じゃあ店の中で片づけてしまえ!っておいら長剣をヒラリと抜いたんだ。

 楽勝楽勝。そう思いながらふと横を振り向くと・・・・・ 。

PHAYDEL003 く、熊がおいらを攻撃してるじゃないか!うわぁ〜〜こりゃやばい!ってんで、ドアを開けるとなんとそこにも熊が!一体この店はどうなっているんだい?安全なはずの宿屋が一変して修羅場に変わっちまったよ。

 こりゃ逃げるが勝ちか!おいら熊をかき分け外に飛び出たんだ。するとどこから飛んできたのか魔法攻撃がおいらに命中。あっという間においらは昇天してしまったよ。見るとそこには勝ち誇ったようなダークエルフの顔。名前はキズディーン・ジックス(Kizdean Gix)。

 一体誰だよお前?


油断大敵

 復活したおいらは一路死体のある宿屋へ向かうんだけど、その間にパーティウインドウには新たなメンバーが登録されていた。おお、ビックパーティに成長しとるぅ。

 死体回収後、宿屋で残りのパンと水を買い終えたおいらはパーティを探すんだけど、ウエストコモンは初めてだから地理に暗い。道沿いに走っていくんだがなかなかキャンプが見つからないんだ。そしていつのまにやらパーティウインドウはフルになっているじゃないか。

 えーい、こんなところで道草なんか食ってられっかい。

PHAYDEL001 が、そんなおいらの焦りをあざ笑うかのように、再び奴はおいらの前に現れたんだ。キズディーン・ジックス、しつこいぞお前!

 フェイデル:どうしたポポ助。何しているんだい?

 ポポ助:只今逃走中。(遠くにHill giantも見えマース)

  フェイデル:え、一体誰から?

  ポポ助:キズディーン・ジックス(Kizdean Gix)って奴だよ。知ってる。

 一同:・・・・・・逃げろポポ助!ゾーンアウトだ!

  ポポ助:OK!(だけどそのゾーンがわからなかったりして^-^;)

 うーん、みんなの慌てようからすると、キズディーンはかなりの有名人なんだな、この辺じゃ。取りあえずおいらは「神足の歌(Selo’s Accelerando)」をフル回転させてどうにかゾーンアウト。しばらくして仲間の元に無事生還できたんだ、ふう。

 サーギー(Sirghee):Lv13warrior(barbarian)
 ヴァールヴ(Vulve):Lv10cleric
 ロエザ(Loezah):Lv13wizard

  パーティに戻ると新しいメンバーがさっそくおいらを出迎えてくれた。おお〜〜、タンク3人にクレリックとウィザード。ほぼパーフェクトなパーティじゃないか。おいらさっそく、このパーティで新しい歌を試してみることにしたんだ。その名も「Lull song=リンク切りの歌(Kelin’s Lugubrious Lament)」。

PHAYDEL002 バードって攻撃しなくても唄っているだけで何故かNPCに目を付けられる。だからパーティが一匹のモンスターに集中していると他の奴等がおいらに張り付いちゃうんだ。この歌は奴のリンクを切ることが出来る歌ってわけさ。

 さっそくオークに使ってみる。すると唄ってから数秒後に奴等はおいらから顔をそらしちゃうんだ。おお〜〜こいつは使えるぞ。(と、勝手に解釈していたんだけど、顔をそらすのはウォーリアがtauntしてくれたお陰だったってことに後で気づきました(笑)

 しばらくこんな調子狩りは続き、おいらも遅れを取り戻すことが出来たんだ。ほんといつになくバランスの取れたグループだったよ。が、パーティプレイはいつもそうなんだけど、終盤になると油断が生まれるんだよね。事の始まりはこんなことからだった。

 バーバリアン・サーギーがウィザード・ロエザにBindして欲しいと言い出したんだ。彼は遠方からやって来たのかも知れないね。それじゃあってんで、おいらもイーストフリーポートからウエストフリーポートに住所変更してもらおうと、彼らの後について街まで行ったんだ。

 パーティは一時的に3人3人で別れたんだけど、アクシデントはそこで起こった。なんと留守中に湧いたNPCの大軍にフェイデルが死亡。その上街から戻る途中でウィザード・ロエザがはぐれた後、謎の死。

 パーティ合流後、バーバリアン・サーギーが最初に、ウォーリア・クリティックとクレリック・ヴァールヴが次々に死亡。タンクを失ったポポ助が最後に逝ってパーティは全滅。なんとも冴えない幕切れだよ。

 今回のパーティにおいては反省点が多かったな。特にクレリックがいるときのバードの役割なんだけど、回復の歌を唄うと彼女の仕事を取ってしまう気がしてならなかったんだ。だからなるべく唄わずにいたんだけど、バードは色々なクラスとかぶる部分が多いから難しいよ。

●さて、ひょんなことからリーダーを引き受けてしまったポポ助。コンビを組んだ奴は、なんとも落ち着きのない魔法使いだった。次回「デスマーチ・パーティ」に続く。


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