【EQ】第28話「デスマーチ・パーティ」

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#1「初めてのリーダー体験」
#2「火の玉ウィザード」
#3「始まって以来の大量死」


初めてのリーダー体験

 良く晴れたオークキャンプの昼下がり。おいらは待ちに待った歌「ピンポイント・キルソング(Brusco’s Boastful Bellow)」が歌えるようになったんで、さっそくそれを試そうとオークキャンプにやってきた。

 どんな歌かっていうとね、敵一体に対してだけダメージを与える歌なんだけど、いままで唄っていキルソングは複数の敵に作用してしまうからとても使いずらかった。だけどこれからはお目当ての敵だけを攻撃できるから他のNPCに気を使わなくてもいいんだ。

 さっそく隊長オーク(Orc centurion)に使ってみたけど、ダメージは7ポイントほどの微々たるもの。おいらのパンチが5ポイントくらいだから、殴りながら唄えば剣を装備したくらいの攻撃力にはなるよな。そんなことを思いながら闘っていると戦闘後に魔法系ハイエルフの兄さんが話しかけてきた。

 カビル(Kavil):Want to group(グループを組みたいのです)
 カビル:I am 7(レベルは7です)

 ポポ助(poposuke):sorry, Lvl is too wrong.(ごめんよ、レベルが違いすぎるよ)

 実際彼はおいらのレベルよりも5つも下だった。ま、経験値が入らない訳じゃないけど、微々たるものだと思うし、グループは組みたいけどおいらは断ったんだ。

ガウルゥ〜〜

KAVIL014 おいらの背後から下品なうめき声が聞こえ、再度センチュリオンが突っかかってきた。格闘(hand to hand)の練習台にいいやって素手で戦っていたら、どこからかスペルが飛んで来る。振り向くとさっきの兄さんがおいらを援護していた。

 しかし、その魔法の力と言ったら情けないくらいに非力なんだ。manaのほとんどを費やしてもぜーんぜん削れない。おいらには青く見えるオークも たぶん彼には黄色か赤に見えるんじゃないかな。ここに来れないレベルじゃないけど、きついと思うよ。

 オークが彼に引っ付いちゃったんで仕方なく武器を装備して剥がしたけど、その間にけっこう削られたみたいで、おいら仕方なく回復だけをしてあげるつもりで ウィザード・カビルを INVITEしたんだ。が、それがこれから起こるデスマーチ・パーティの始まりだった。

  実を言うとおいら自分から人を招く(INVITE)することはめったにないんだ。だってそうするとおいらがリーダーになっちゃって、その後のメンバーも全部おいらがINVITEしなきゃならないだろ。ま、回復したら解散。そんな軽い気持ちだったんだけど、兄さんの方は本気らしくって結局おいら達はグループを組む事になったんだ。げ〜〜、大丈夫かぁ?

 おいらにしてみれば初めてのリーダー体験なんだけど、当然タンク役も引き受けざる負えなくって、同時にpull(引っ張る)役もおいらってことになってくる。

 ま、それはそれとしていいんだけど、リーダープラスpull役って何故か義務感が湧いてくるんだよね。ひな鳥を食べさせる親鳥みたいな (笑)

 その上獲物は他のハンターとの奪い合いになるから、内心おいらはハラハラドキドキなんだけど、幸いその場に居合わせたソロの連中は結構人のいいやつばかりで、KS(獲物泥棒)扱いするような人はいなかったよ。


火の玉ウィザード

 最初のうちはお互いの事がわからないから、ある程度ギクシャクした動きになるんだけどその内にパーティとしての役割分担が生まれてくる。手慣れたハンターだと飲み込みが早いからすぐにいい動きをするんだけど、彼カビルは違った。

 まず気づいたのは、オークの湧いてくる場所のど真ん中で瞑想をおっ始めちゃうところが常人と違うところかな。よく高レベルプレーヤーがソロで居座るときに同じ事をするんだけど、おいらとしてはもっと離れた場所でやって欲しいよ。弱いんだから君は(涙)

 何度か冷や冷やする目に遭いながらもどうにか命拾いしてきたんだけど、湧いて出たオーク共にとうとう二人囲まれちまった。で、おいらはタンクだから奴等を引き受けて、彼は後方へ退くっていうのが一般的な魔法使いなんだけど、彼はここでも違った。

KAVIL006 何で君はおいら真横にいるわけ?

 彼が離れた場所にいてくれれば、おいらとしてもオーク一匹だけを引き離してその場から離れられるのに彼がいっしょだとそれもできない。だからどんどんオークが増えてしまってめった打ちにされちゃうんだよな。最悪・・・・・。

 あ、こりゃ死ぬな。そう思ったおいらはキャンプからできるだけ離れたところまで後退して行ったんだ。その方が復活してから死体回収が楽だからね。これは死ぬときの基本だよね。で、復活してから戻ってみると、カビルが無装備で立っている。見ると彼の死体はなんとオークキャンプのど真ん中に横たわっているじゃないか。お〜い、どうするのさ(-_-;)。

 さらに最悪なのが湧いて出たオークを相手にしていたら、ウィザード・カビル君はいつの間にかライオンの餌食になって死んでいるし^-^;。おいらもオラクル以下複数のオークに囲まれてDead again。うーん、この間の悪さは何だろう・・・・?

 疑問を抱きつつも戻ってみると、近くにいた連中に声を掛けたらしく、カビルの他に仲間が二人も増えていた。ふう、これでようやくまともなパーティになるかな?

 で、リーダーのおいらがINVITEして、パーティは一気に4人になったのは良かったんだけど、あいにくおいらは戦利品で重量オーバー状態。さきに品物を売ってこなきゃ。そう思いおいらは一人宿屋へ行ったんだ。

 ま、3人もいるし大丈夫だろうってね。が、しかーし、その間になな、なんとパーティのHPがどんどん減り始めているじゃないか。おいらが慌てて戻ってみると若い熊が3匹もいる!

 カビル〜〜、またいいかっこして大砲ぶっ放したね〜〜(-_-;)。パーティはあっという間に全滅 and 解散してしまって、また二人パーティに戻ってしまった・・・・・(涙)。

 ポポ助:I’m try pulling.(じゃまた引っ張ってくるよ)

 カビル:OK, I’m waiting.(わかりました、待ってますぅ)

 ま、過ぎたことはしかたがない。気を取り直して狩を続けようって事で、おいらはキャンプに近づいたんだ。が、そこにいたのはレギオン閣下とその仲間達でさ。こりゃだめだって思い、おいらは彼に・・・・。

 Wow, They are legion.(あはは、奴等レギオンだ、ちょっと様子を・・・^-^;)そう書き込んで注意を促そうとしたその瞬間・・・。

 シュボボボ〜〜〜ン!!

KAVIL007 カビルの奴また大砲をぶっ放しやがった。アホかお前は!案の定レギオン閣下とその手下が怒濤のごとく押し寄せて、カビルはあっという間に昇天。続いてその牙はポポ助に向けられたけど、おいらは足を使ってガードのところまで逃げ延びたんだ。

 ポポ助:I pull!(おいら、引っ張る!)彼に合流するとおいらはそう言ったんだ。が、何を勘違いしたのかカビルはオークキャンプ目指してダッシュし始めた。

 ポポ助:you wait!(お前、待て!)おいらの言葉に彼が静止した。で、改めておいらがオークを引っ張って、彼が離れたところからキャストするパターンをようやく呑み込ませたんだ。ま、言葉が通じないこともあるけど、それにしたって君は無謀すぎるよ。

 はっきり言わせてもらおう、君はハイエルフ・ウィズに向いていない。今からでも遅くない、オーガ・ウォーリアになりなさい(笑)


始まって以来の大量死

 Lv7のシャーマン・オープス(Oopce)が仲間に加わったのは、ウィザード・カビルが今日5度目の死を迎えたときだった(死にすぎだよ)。彼はカビルと違って目立たないところで瞑想するし、タイムリーな攻撃の出来るとてもまともな奴だったよ。

 その後Lv11の盗賊(Rogue):シャンク(Shannk)を加え、リーダーポポ助率いるパーティは4人になったんだ。しかもシャンクはBack stabsという超ウルトラ技を使えるから戦力的には申し分ない。

KAVIL009 勢いに乗ったおいら達はレギオン閣下も物ともせずにザクザク獲物の山を築いていったよ。火の玉ボーイ・カビルもようやくウィズとしての自覚に芽生えたようで、不用意に獲物に近づかなくなったし。(笑)
 
 それでも彼は7度目の死を迎え、彼のいない間にオークがドッと湧いたんだ。そんなときって何故かおいらだけが集中攻撃に遭うんだけど、ちょうど通りかかった高レベルのエチャンター様がおいらたちに力を貸して下さったんだ。彼が呪文を唱えるとオーク達が一斉に走り出して行ってしまうんだ。

 ふう、助かったか。

 おいら首の皮一枚で命が繋がりそう思っていたんだ。が、現実はあまくなかった。逃げ出したオークがどんどん戻ってくるんだ。その後も何度か エチャンター様の力でとん走するんだけど再び戻ってきてやっぱりおいらは殺されちまった(涙)

 ポポ助のバカバカ!もどってくることが分っていたら、回復を速めるとか、逃げるとか手はいくらでもあったのに!失敗したなあ(くそぉ)。で、結局この日の死はおいらが5回、ウィザード・カビルが8回とポポ助誕生以来の大量死を経験してしまったよ。だから経験値はほとんど上がらず(涙)

 教訓その1:死にそうになったら素直に身を引け、ポポ助。

 教訓その2:火の玉ボーイには気をつけよう(笑)。

 ●やはりタンクはおいら向きじゃなかった。やはりおいらは歌で勝負しなきゃ、しかも3つの曲を同時演奏さ。次回「ポポ助、メドレーソングを唄う」に続く。


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