【EQ】第5話「ウィークエンドはカーニバル」

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#1「今夜は森のカーニバル」
#2「タイガーマスクが助けてくれたよ」
#3「おいら、わらしべ長者だ」

BGM 「RIVRVALE」 


今夜は森のカーニバル

 歌はたいていバードギルド(BARDS’GUILD)に売っているんだ。で、おいらは有り金はたいてレベル1の歌「戦いの歌(Chant of Battle)」を買いに行ったよ。

 けれど問題は、これをどうすればいいのかって事なんだよね。一応、「異世界に伝わる書」を読んではみるもののあと一歩要領を得ない。スペルブックとやらに書き写すまではどうにか出来たんだけど、それから先が謎なんだ(涙)。

 スペルブックのアイコンをクリックすると石ころ見たいなものが現れるんだけど、どこに置いたらいいの?おいらsingingのスキルを習ったんだけど、スキル間違ったのかなあ。かといってもうスキルポイントは使い果たしちゃったし・・・・おいら散々悩んだあげく歌はあきらめたよ。

 「ま、レベルが上がれば使い物になるだろう。」 おいらそう思ってさ、また森に入って狩を始めたんだ。すると、今夜は色々な光がおいらを包み込んでさ、おいらのステータスが瞬く間に上がっていくんだ。回りで狩をしている人たちの暖かいプレゼントだね。ホントみんないい人ばかりだよ、ここ(kelethin)の連中は。

vs_wedow001 だから今夜のおいらは少しばかり大胆になっていてさ。いつもだったら、手を出さない毒グモ(a widow hatchling)にも果敢にチャレンジ!

 奴は毒を使うからやっかいなんだけど、それでも間一髪だったから、素の状態だったらアウトだな。やばいやばい。

 そうこうしているうちに、おいらは妙なことに気づいた。今夜の森はなぜか獲物の死体でいっぱいなんだ。漁ってみるとお宝がぎっしり詰まった死体がゴロゴロしている。

 おーい、どうしてみんな持っていかないんだい?誰かにとられちゃうよぉ〜。・・・・なんてことを心で思いながらも、真っ先に死体を漁っているおいらなんだけど(笑)

 あっという間に荷物で一杯になっちゃってさ。なんだか夢を見ている気分だったよ。よくあるだろ小銭がザクザク落ちていてそれを拾う夢。まるでそんな感じ。それを売って、銀行に預金してって繰り返していたら結構いい稼ぎになっちゃってさ。思いもよらぬ大漁に、すっかりバブリーな身分になっていたよ。

carnival001 リフト付近では花火みたいな極彩色の光で満ちあふれていて、魔法系のお姉さんがみんなに力をプレゼントしているんだ。きれいだったよ、まるでカーニバルみたいだった。週末は人が多いから結構楽しいよね。真夜中の森でも光に満ちていてぜんぜん恐くないんだ。

 ああ、おいらも早く唄歌いになってあんな光をだしてみたいものだよ。


タイガーマスクが助けてくれたよ

 少しのあいだ、近場の森で狩をしていたおいらなんだけど、とにかく今日はツキに見放されていた。

 毒グモ(a widow hatchling)を相手にしていたら雑魚オーク(Orc pawn)の加勢で殺されたり、弱った骸骨(a Decaying skeleton)相手にバトルしていたら仲間の骸骨が来たりで、相変わらずガードの兄貴の世話になりっぱなし。

 歌を知らないバードほど弱いものはないね。だから他の人たちはどんな戦い方をしているのか、おいら側で観察してみたんだ。やっぱり魔法を使えるクラスはすごいよね。一瞬で勝負が決まるものね。あとは力のあるソルジャーは武器が違う、おいらのオマケみたいな短剣とは大違いだ。

 ま、中にはおいらみたいな新人がいて戦いに困っていたりするんだけど、そんなときはおいらが加勢してあげて、ある程度削ったら引き下がるんだ。もちろん分け前なんか取らないよ。人の役に立っているなって思うとちょっといい気分なんだ。ま、助けられる方が圧倒的に多いんだけどね。

 そう言えばこんなことがあったんだ。いつものようにお手軽な巨大バチ相手に戦っていたら、また奴(Orc pawn)がちょっかいを出してきたんだ。おいらが振り返ると奴(Orc pawn)がニタニタ笑っていてさ、もうダメかと思ったその瞬間、雑魚オーク(Orc pawn)の奴が目の前で黒焦げになって倒れたんだ。

 シュドーン!なんて音を立ててね。

 おお〜〜すご〜〜い。

Sirblod_tiger002 おいらが感激していると、巨大バチがチクチク刺してきた。そうだった、まだ戦闘の最中だったよ。って振り返ったら巨大バチを挟んで向こう側にタイガーマスクのお兄さんがいたんだ。たぶん雑魚オーク(Orc pawn)を倒してくれたのはその人だったんだろうね。

 おいらその時は素手で攻撃をしていたから、蜂をポカポカ殴っていたんだけど、タイガーの兄さんそれをみて喜んでいるんだ。両手をあげて「やれやれ〜ってね」。時々おいらを回復させてくれたりして結構世話好きなんだな、この人。戦闘の後でおいらに話しかけてきたんだ。

 シーブロッド(Sirblod):いいパンチだったねぇ。

 やはり素手で殴っていたことが気に入っていたみたいだ(笑)。クラスはレベル9のパラディン(paladin)種族はハーフエルフ(halfelf)だったよ。で、おいら英語は苦手だから覚えたてのボディランゲージで、相づちをうったんだ。

Sirblod_tiger005 シーブロッド(Sirblod):ところでさぁ、私の死体どこにあるか分るかい君。

 ポポ助(poposuke):それがそのぉ。おいらにはちょっと。(またですかぃ)

 シーブロッド:わからないの?

 ポポ助:・・・・・(早く歌、覚えなきゃなあ)

 シーブロッド:もしかして英語もダメなの?

 ポポ助:ええ^-^;(英語も勉強しなきゃなあ)

 シーブロッド:I see.

 すると急にトレードのウインドウが開いて、タイガーの兄さんはおいらに自分の獲物を差し出したんだ。何かの骨数本とロープみたいなものだったな。おいらもさっき拾った狼の肉と羽を差し出して交換成立。でももしかしたらタダ単にプレゼントしたかったのかもね。

 別れ際に大きな仕草で手を振ってくれてさ、本当にかっこいい人だったな、タイガーマスクの兄さんは。もちろんおいらの友達リストに加えておいたよ。


おいら、わらしべ長者だ

 トレードした獲物をさっそく商人( Merchant)に持っていったおいらは、そこで度肝を抜かされた。何故ってタイガーの兄さんにもらったロープみたいなものを売ろうとしたところ、その値段が金貨1枚と銀貨7枚そして銅貨1枚というすごい代物だったからだ。

 「それっておいらの全財産よりも多いよぉ。な、なんて太っ腹な人なんだ!」さすがに申し訳なくってそれを売ることは出来なかったよ。

 取りあえず銀行に預けて置くことにして、再び森に戻ったんだ。で、肩慣らしに巨大バチ(a giant wasp drone)をやっつけると、お宝の中にいつもの羽の他に何かグリーンの内臓(the giant wasp venom sac)みたいなものが混じっていてさ。商人の示した値段にまたまたおったまげた。

 金貨3枚、銀貨8枚、銅貨1枚なり(⌒▽⌒)すっご〜〜っ!

 さっきまでツキに見放されていたおいらだったが、タイガーの兄さんに出会ってからというもの運がメチャメチャ向いてきたぞ。おいら一夜にして大金持ちだぁ。

 だけどおいら、それを売ることをやめたんだ。なぜかもう一度タイガーの兄さんに会いたくなってね。会ってその凄いお宝をあげたくなったんだ。でもこの広いケレシン(kelethin)の街でどうやってあったらいいんだろう?取りあえずケレシン(kelethin)にいる全住民をリストアップしてみた。そして上から順に見ていったんだ。

 9paladin (Sirblod) halfelf Honorable knights(おお〜おるおる、まだどこかにおるぞ)

 おいらは取りあえずグリーンの内臓を持ったまま、ケレシン(kelethin)の街を探しまくったんだ。銀行や広場で道行く人の名前をじっくり観察したりしてね。でも探すとなるとなかなかいないもんだよね。で、さらに間抜けなのは、キョロキョロしながら歩いていたら

poposuke_out001ああ〜〜〜っ

 おいら足を踏み外しちゃって、大木の下へ真っ逆さまに落っこちたんだ。もちろん即死。復活後に持ち物を見ると、大切なお宝の代りに水とマフィンが5つあるだけ・・・・。

 ガ〜ン!タイガー兄さんへの大切な贈物がぁ〜。

 おいら必死で街の回りを探したんだ。雑魚オーク(Orc pawn)に追っかけられたりしながらね。同じような大木群が密集していて、どこから落ちたのか見当も付かないんだけど、ぐるぐる回っていたら運良く見つかったよ。ポポ助の死体が^-^;。グリーンの内臓(the giant wasp venom sac)もしっかり持っていてさ。

 ふう、助かったぁ。でもそんなこんなで時間を費やしちゃってさ、もう一度全住民をリストアップしてみたらもうタイガーの兄さんはログアウトしてたよ。ああ、なんてお間抜けなポポ助なんだろ(涙)。

 大切なお宝を持ったまま森をさまようポポ助。その状況下で起こる事件とは?次回「因縁の対決」に続く。


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