#1「チームワークが大切なのに」
#2「経験値より大切なもの」
オークの洞窟(CB entrance)でログインしたおいらは、そのままケレシンの街へ向かっていた。ま、途中でオークがおいらに目をつけて追ってくるのはいつものことなんだけど、今日もぞろぞろと奴等が着いてきたよ^-^;。
オークリフトの近くで立ち止まって強さを調べると青オーク2匹に黒オークが一匹だった。ま、やばくなったらガードのお世話になればいいかな。おいらそう思って3匹相手にバトルを始めたんだ。青いのはいいとしても黒い奴はちょっと手強そうだなぁ。
戦いが始まって少し立つとドワーフのおじさんがおいらに加勢してくれて、青オークを一匹受け持ってくれたんだ。名前はスリル(Thril)クラスはLv8のクレリック(cleric)だった。
ポポ助(poposuke):ありがとう。奴等を片づけてからおいらは彼に礼を言った。
スリル(Thril):いいってことよ。それよりいっしょにどう?組まない?
ポポ助:もちろんいいよ。って感じでおいら達はパーティを組んだんだ。ドワーフにはいい印象があってけっこう好きなんだ。話し好きなのも共通していて、さっそく他のメンバーを集め始めたよ。悪いねスリル。
おいら口下手だからこういうリーダーって助かるんだ。彼の側に座っているとハイエルフの兄さんがおいらの横に現れた。すぐに話がついてパーティウインドウに名前が現れたよ。名前はシーリエン(Sarien)Lv7の魔法使い(Wizard)だった。
彼らの後をついていくとオークの洞窟(CB entrance)を通り抜けて、クラッシュボーンへとやって来た。うぁ〜〜緊張するなあ。
でも今日のクラッシュボーンは平和そのもので、オークを探すのに一苦労なんだ。で、おいら達は広い草原を走り回って獲物を探すんだけど、数分もするとおいらはあることに気づいた。
つまり、このパーティはどこかおかしいなってことなんだ。まったく統率が取れていなくて、各人がそれぞれ行動しているって感じかな。リーダーのスリルはちょこまかと動きすぎてあとの二人がついていけないんだ。
二人で彼のPull(獲物を引っ張る)を待っていると彼はおいら達がはぐれたと思って「どこにいるんだ〜」って叫ぶ始末。魔法使いのシーリエンも結構リーダー肌の人でスリルの前で獲物をどんどんルート(漁る)しちゃうし、おいらとしてもどちらに付けばいいのか困っちゃうんだよね。
スリル(Thril):OK guys I disband , sorry but exp is raising too slowly.
(そうかい君たち、じゃ解散だ。ごめんよ、だって経験値の上り方があまりにのろいんだもの)
業を煮やしたスリルはそう言って行ってしまった。シーリエンも単独行動ばかりしていて悪いと言えば悪いんだけどね。ふぅ、結構気の短い人だなあスリルって。クレリックよりも戦士に向いていそうな人だよ^-^;。
経験値より大切なもの
パーティを解散させられて、おいらはその場にボーッと立っていたんだ。すると魔法使いがおいらの側にやって来て聞いてきた。
シーリエン(Sarien):ねえ、彼はどうしちゃったんだい?
ポポ助(poposuke):行っちゃったよ(君のせいだぞ)
シーリエン:ねえ、僕たちもう一度組まないかい?
ポポ助:おいらは構わないよ。
というわけで、バードと魔法使いのチーム結成ってわけだけど、こんな弱小パーティが夜になったクラッシュボーンに通用するのかなぁ^-^;。が、しかしそんな心配をよそに彼はどんどん奧へ進んでいったんだ。大丈夫かなあ。
おいら達はハンター達の死体が転がる道を進んでいったんだ。それだけでもいかに危険な場所なのか分るだろ。そう、ここはオークの城へと続く道なんだ。幸い出会う相手は青から黒の比較的やさしいオークばかりだった。
シーリエン:ポポ助、二人いればここは楽勝だよ。ガンガン行こうぜ!
なーんて調子のいいことを言うくせにおいらがオークと闘っている時にはどこかへ行っちゃうんだよなぁこの人。
落ち着きの無いクレリックに調子のいい魔法使い、考えてみたら最悪を絵に描いたようなパーティだったのね、さっきのは。 ま、おいらがこんな調子だから誰とでも合わせていられるけどさ。
オークどもに散々HPを削られて、命からがら逃げてきた二人はゾーンの側で休んでいた。シーリエンが何か話してきたんだけど、英文が長くっておいらには分らなかったんだ。
ポポ助:Sorry, my English is poor.
(ごめんよ、おいらの英語力って乏しいんだ)
シーリエン:Where did you come from?(どこから来たの?)
ポポ助:I come from japan.(日本だよ)
シーリエン:konnichwa gokigen ikagadesuka?(こんにちわご機嫌いかがですか)
おいらは一瞬固まってしまった。だって彼がローマ字で日本語をしゃべったんだもの。おいらてっきり彼が日本人の方かと思っちゃったよ。
シーリエン:I can’t speak japanese many words.
(たくさんは知らないんだ、日本語)
ポポ助:your japanese is fine!
(君の日本語は素晴らしいよ)
シーリエン:thank you.
そんな会話をしていたら、おいらシーリエンに親近感を覚えてきてさ、彼の身勝手な行動もどうでもいいやって気になってきた。やっぱりコミュニケーションって大切だよね。その後二人はいい感じで狩を楽しんで、party is overになったんだ。別れ際に彼がこんなことを言ってきた。
シーリエン:What do you say good-bye as in japanese?(日本語でさよならを何て言うの?)
ポポ助:good-bye is sayonara.(さよならって言うんだ)
シーリエン:sayonara poposuke.
ポポ助:sayonara Sarien.
おいらは思うんだ。確かに経験値も必要だけど、思い出だってそれ以上に大切だよってね。
さて、死体探しの名人バードに探せない死体なんかない。そう思っていたはずなのに今度の依頼はちょっとやっかいだぞ!次回「遠方より来た旅人」に続く。