【EQ】第13話「オークヒルで捕まえて」

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#1「案内人が迷子になったよ」
#2「初めてのフルパーティ経験」
#3「勢いに任せて洞窟へ」


案内人が迷子になったよ

 メッセージボードにpoposuke宛のtellが入ったのは、おいらが2杯目のライトビールを飲み干したちょうどその時だった。

 「私の死体捜査の手助けをすることが出来ますか?」
 アーナフ(Aanaf)って人物からのメッセージにはそう書かれていた。

Aanaf000 さっそくリフトの所に行ってみると(大概、人はどこかのリフトで待っているんだが)小っちゃなヒゲのおじさんがそこにいたんだ。たぶんドワーフ(Dwarf)っていう種族だと思うけど初めて見たな。クラスはレベル4の聖戦士(paladin)。

 例によって「死体の発見の歌(Lyssa’s Locating Lyric)」を唄い始めると体が自然と彼の死体の方向を向いたよ。おいらってまるで霊媒師みたいだなぁ(笑)。死体探しを何回か請け負ってみて分ったことはね、見失った死体って大して離れていない場所にあるもんなんだなってこと。彼の死体もそうだったよ。

 アーナフ(Aanaf):サンキューポポ助。ところで私は経験値を稼ぎたいんだがどこかいいところはないかな?(死体から荷物を回収し終わると彼はそう言った。)

 ポポ助(poposuke):オークヒルに行ってみるかい?おいらがそう聞くとINVITEボタンがFOLLOWに変わったよ。久しぶりのパーティプレイだなぁ。

 しかしここへ来ておいらは重大なミスを犯したことに気づいたんだ。おいら死体発見は得意なんだけど、発見した後で道に迷ってしまうことが多いんだ。来た方角をちゃんと確かめておけばいいんだろうけど、つい死体ばかりに気をとられちゃうんだね。 せっかく首尾よく死体を見つけられたのに迷子になるなんてとんだ案内人だよ。

 仕方がないからロケーション(/loc)ボタンで地道に探そうとするんだけど、彼にはおいらの行動が奇妙に映るらしいんだね。おいらも英語がダメだから、それをどう説明したらいいのか分らないし、話しかけられるとまた方向がわからなくなっちゃうんだよね(しかも何故かElvish語で話しかけるから余計分らないよ)。

 でもこの人けっこういい人でね。困っているおいらに「ポポ助、君についていくよ」って言ってくれたよ。こう言う人がメンバーだと本当に助かるよね。


BGM 「CAULDRON」 


初めてのフルパーティ経験

AANAF_PARTY006 迷いながらもオークヒルにたどり着いたおいら達は、さっそくオーク狩りを始めた。丘の上にはソロのオークハンター達が狩を楽しむ、そんな昼下がりの午後って感じだったよ。

 装備の薄いアーナフは倒したオークを片っ端からルート(漁る)してたよ。聖戦士は武器や装備に金が掛かるからね。おいらは彼に全部任せておいたんだ。

 少しするとアーナフは持ち前の陽気さで、近くの聖戦士(イクシエン:Ixyen)に話しかけたんだ。すぐに彼もOKして仲間入り、話し好きのメンバーがいるとまとまりがいいよね。

 Can I join this group?(私も合流できますか?)

 魔法系の兄さん(チュラリオン:Turalyon)がおいらに声を掛けてきた。おいらは初めてINVITEボタンを押してみたんだ。しばらくするとグループウインドウに彼の名前が加わったよ。おお〜タンク(Tank)二人、キャスター(Caster)二人の本格的パーティだね。

 その後、近くで狩をしていた女性ウィザードふたり(タレーシア:Talrasiaとサンダーラ:Sumdaara)も合流してなんとおいらたちは大所帯のフルパーティになってしまった。凄い、こんなの初めてだ。これもみんな陽気なドワーフ(Dwarf)のアーナフのお陰だよ。

 オークヒルっていうのはある程度の時間間隔をおいてオークどもが発生するんだけど、いないときにはまったく居なくなるんだよね。とくに今日みたいにハンターの多い日はそうなんだけど、これで油断していると一度に発生してやられちゃうんだ。特にレベルの低い奴を狙ってくるから気をつけなきゃいけない。

 おいらたちがのんびり休んでいると、やっぱり奴等集団発生してきたよ。一時は騒然としたんだけど、さすがウィザードふたりっていうのは凄いよね。ヴィジュアルも派手だけどHPの少なくなったまわりじゅうのオークを一掃しちゃうんだからね。もう向かうところ敵無しだよ(笑)

AANAF_PARTY014 でもかといって魔法系だけだと一人が集中攻撃されちゃうから、装甲の堅いパラディンや戦士が盾役(tank)を買って出ないといけないんだ。おいらみたいな中途半端な存在は、臨機応変な行動が必要で手薄な所を補うって感じかな。ま、もっと声を出してグループを統制できたらさぞかしいいだろうなって思うけどね^-^;。

 しかし、一匹のオークに対してグループと回りの人を合わせて8人くらいで取り囲むからね。狩というより、こりゃいじめに近いよ(笑)。


勢いに任せて洞窟へ

 かなり長い時間おいらたちはオークハンティングを楽しんだよ。一人の死亡もなくやれたのはまさに奇跡的。こんなにいいパーティは今までに経験したことがないよ。みんな話し好きでね、笑いが絶えないよ、ほんとに。

 そうこうしているうちにアーナフ(Aanaf)が街へ行きたいって言い出した。もう大漁のお宝で荷物が一杯になったのかも知れないね。おいら、彼とここで別れてその場に残ったんだけど、やはり彼がいないと場が寂しくなるよ。ムードメーカーって本当に重要だよね。

 彼はその後、ログアウトしたのかパーティウインドウから一斉にみんなの名前が消えたんだ。そっか、もともとアーナフ(Aanaf)がリーダーで始めたグループだったからね。メンバーが残っていても強制解除されちゃうのかな?

 残りのメンバーたちが何となく宙に浮いた感じになっていると、ウィザードのサンダーラ(Sumdaara)がオークの洞窟へ行こうって言い出したんだ。

 ポポ助(poposuke):その話、おいらも一枚乗らせてもらうよ。って訳でおいらとサンダーラ(Sumdaara)は洞窟へ行ったんだ。

 近くにいたLv4の付与魔術師(Enchanter)テラビア(Telavia)に、彼女が声を掛けると、早くも3人パーティの出来上がり。でも言葉の壁ってほんとに困るよね。ある程度意味はわかるんだけど、どう話したらいいのか分らないんだ。おいらはリーダーには不向きだよな。その上みんな気を利かせてElvish語(エルフ語)で話しかけるんだ(爆)。余計に解らなくなっちゃうよね。

 何匹目かの隊長オークを狩っていると最初のグループでごいっしょしていたイクシエン(Ixyen)が洞窟にやって来た。「やあ、みんな元気ぃ、良かったら入れてよぉ」ってことで4人パーティ完成。彼は貴重な盾役でもあるし、陽気な性格だから面白いよ。

 調子に乗ったおいらはpull役(pullは魔物を引っ張ってくること)を引き受けたんだ。が、悪夢のシナリオはここからスタートしたんだ。

poposuke_VS_3ORC005 なんとおいらは3匹の隊長オーク(しかもラージサイズ)に取り囲まれちゃったんだ。それだけなら走って逃げ切れるんだけど、ドジなことに木とオークの間に挟まって、おいら逃げられなくなっちゃったんだ。後はもうサンドバック状態。 今日初めての死体はおいらになっちゃったよ。

 もー超カッコ悪い!

 しかも復活してから洞窟に戻るまでが、もたついちゃって、帰ってみるとparty is overになっていた(ガーン)。はぁ〜〜最初は良かったんだけど最後がダサダサだったなぁ。

 ま、でも今回の狩でほぼワンレベルの経験値と、大漁の戦利品を手にすることが出来たから良しとするか。

 さて、ひょんな事からオークの群れに追われ逃げるポポ助、そして行き着いた先に現れたる謎の宮殿とは?次回「霧の中の宮殿」に続く。


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