【EQ】第18話「オークエンペラーの住む城」

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#1「武器よさらば」
#2「最強のデルマイヤー軍団」
#3「ポポ助絶体絶命」


武器よさらば

 おいら達バードは楽器を持って演奏することができる。ま、楽器を持つと歌の効果が増幅されるメリットがあるんだけど、その反面武器が持てなくなってしまうという欠点もある。どちらがいいかは好みが別れるところなんだろうけど、おいらは楽器を持ったバードになろうと思っているんだ。

poposuke_banjyo001 で、今まではパーカッションしか持てなかったんだけれど、レベルが上がって今日から弦楽器を使えるようになったのさ。どう?マンドリンを弾くおいらの姿。結構さまになっているだろ?やっぱりバードは武器を持つよりも楽器を持つほうが絵になるよね。

 しかし、武器を持たないバードはどうやって戦うかというと、当然素手で殴るしかないんだよ。すなわち格闘技(Hand-to-Hand)って訳なんだけれど、この日のために練習に励んでおいてほんとうに良かったと思うよ。

 今日もマンドリンを手にしたおいらは(ムーミン谷のスナフキンよろしく)、クラッシュボーンの川のほとりで優雅に演奏をしながらオーク狩りをしていたんだ。 「皆殺しの歌(Chords of Dissonance)」を演奏しながらだと、青オークはもちろん一対一の黒オークだって倒すことが出来るからね。

 デルマイヤー(Delmair):やあ、ポポ助。

 五つ目のクラッシュボーンベルトをルートしていると、ふいに横から声を掛けられた。以前グループを組んだことのあるパラディンのデルマイヤーだったよ。

  デルマイヤー:どう、いっしょにやらない?

 もちろんOKだって答えたらパーティウインドウに4つの名前が刻み込まれたよ。メンバーの内訳はこんな感じ。

 Lv9 聖戦士デルマイヤー(Pal Delmair)
 Lv9 魔法使いチェンコ (Wiz Chienko)
 Lv7 武道家ガステン(Mon Gustan)
 Lv9 聖戦士アンテモス(Pal Antimus)

 おお〜〜、格闘家に聖戦士、魔法使いにバードかぁ。盾(Tank)も後方支援(custer)も申し分ないねぇ。

 少しすると体のバカデカイ奴が現れて、おいら達はフルパーティになった。彼の名前はテュピッド(Lv5戦士)。彼はオーガ(Ogre)と言って、EQの世界じゃ悪のグループに属している Evil系の種族だった。ま、それはNPCの場合でプレイヤー同士にはそんな派閥はないんだけれどね。

 さあ、武器を捨て、楽器使いのバードになったポポ助の初パーティ。なんだか緊張しちゃうなあ^-^;。


BGM 「PICKCHAR」


最強のデルマイヤー軍団

 おいらが知るかぎりでは最強のパラディンデルマイヤー。その彼が率いる軍団が向かった先はというと、そこはおいらのまったく知らない場所だった(゚〇゚;)。

 いや、正確にいうならウィザードのシーリエン(Sarien)に連れられて、かつて一度だけ来たことがあったのかな?でも赤オークばかりで、10秒も持たなかったって記憶が・・・・・。だ、だ大丈夫なのかぁ〜〜こんな所に来てぇ(涙)。

CB_CASTLE020

 おいらって何故か知らないけど、自分よりもレベルの上の人と組んでしまっていきなり恐ろしい場所に連れていかれることが多いんだよね。そしてとうとうオークの皇帝が済むという城(orc castel)に来てしまったよ。よりによって武器を捨てたその日が、おいらの命日になるとはなあ。って内心ビクビクだったんだけれど、おいらの心配をよそにこの軍団は凄く強かったよ。

 戦法はいつもどうりデルマイヤーがpull(引っ張る)してきて、タンクが獲物をタコ殴り、魔法使いがとどめを刺す作戦。スタイルはオーソドックスなんだけれど、一人ひとりが自分の仕事をきっちりこなしていてとても手際がいいんだ。

 しかもオーガのテュピッドは大きめのオークの2倍近く大きさがあって、心理的に有利に立てるんだよね。ほんと、一歩間違えばどっちがモンスターだか分んなくなるよ(笑)。

 それでも一匹の赤オークを倒すと全員のHPが相当削られるから、ここの奴らがいかに強いかが分る。おいらは歌唄いに徹していたから平気なんだけど、その分自分の仕事を充分にこなさないとね。

 おいらたちはハイペースでモンスター達を倒していき、金と戦利品と経験値を稼いでいったんだ。でも中盤になるといつもそうなんだけれど、油断がでてくるんだよね。今回もデルマイヤーがpullしに出かけている隙に、突然湧いて出たオーク軍団においらは囲まれてしまったんだ。

CB_CASTLE014 その大きさときたらおいらの3倍はあろうかという巨大オーク!おいらはあっけなく昇天さ。いつもグループで先に死ぬのは何故かおいらなんだよね。ほんと何故だろう?

 復活してから戻ってみると、皆さん何やら会議中だった。側で聞いていると「そろそろ城の中で戦かわないか?」っていう声が聞こえてくる。し、城の中って・・・・・ま、まさか。

 今までおいら達は城の中庭みたいな所で戦っていた訳なんだけれど、外でさえあれだけ苦戦しているのに中に入ったら一体どうなるの?(まあ、苦戦しているのはおいらだけだって言われればそれまでなんだけど(笑)

 で、おいらの不安をよそにみなさん取り憑かれたようににダッシュ!うおおおおお〜〜〜!って感じで突撃しだしたよ(涙)。この状況でおいらだけ行かないわけにはいかないだろ。おいらも泣きながら後をついていったよ。


ポポ助絶体絶命

 城の中に入ると細い通路続いていた。少し行くと石造りの広間が広がり、奥の方には皇帝の座るような石の玉座が設えてあったよ。もちろん中にいるやつらはオークの中のオーク。おいらから見ればみんな赤く見える危険な奴等ばかりなんだ。

 うぉおおおおお〜〜!

CB_CASTLE_GO005 誰が口火を切ったのかいきなりオークどもとのバトルが始まった。もう誰がタンクで誰がキャスターだか分らないくらいの団子状態。その中にあっておいらは「回復の歌(Hymn of Angels)」の楽譜を広げてマンドリンの演奏しているんだからお気楽に見えても仕方ないよね(笑)。

 でもチームのほぼ中央にいなければみんなに歌が届かないし、魔法使いみたいに後方でみているわけにはいかないのが辛いところなんだ。HPゲージを見ているとデルマイヤーが始めに削られ始め、聖戦士アンテモス(Pal Antimus)に至っては瀕死の状態になっていた。

 後で気づいたことなんだけれど、こういう勝負は長引かせてはいけなかったんだ。ある程度叩いたらサッと引いて形成を建て直してから再度攻撃。ヒットアンドアウェイでなくちゃいけないって。ところがおいらときたらモタモタしてるから、アッというまに囲まれちゃって逃げそびれちゃうんだな。

CB_CASTLE_GO011 それからおいらが狙われるのは手当たり次第に手を出すからなんだ。 キャスターなんだから攻撃に参加するなら歌で勝負しなきゃいけなかった。パンチを使うならせめてタンクのアシスト(/assist)をするとかね。

 気がつくとおいらはケレシンの街のリフト側にいたんだ。おいらは歌を描き移しながら「今日はよく死ぬ日だなぁ」ってボーッと考えていたんだけど、はたと我に返ったんだ。つまりおいらの装備一式はこともあろうに城の玉座の真横にあるってことなんだ。

 ガ〜〜〜ン!それって、ほとんど回収不可能じゃん(涙)

 おいらは改めて事の重大さに気づいたんだ。それからが苦難の始まりだった。何度も何度も城の中にある自分の死体に近づくんだけど、とても最後まで回収する暇なんかない。

 ああ、せっかく手に入れたブロンズメイルもこれまでかぁ。って思い始めたその時、仲間の一人アンテモスが(彼もまた城の中に装備を置いてきた一人なんだけど)、他のパーティに呼びかけてくれたんだ。そしたら手伝ってやるよって言ってくれて、おいらたちは再び城の中へ入ったんだ。

CB_CASTLE_GO010 いやあ、緊張したよ。みんなが戦っている隙に自分の死体に近づくんだけど、オークどもに目を付けられたらお終いだからね。死体の中から持ち物を移すんだけど、心臓はバクバク鳴りっぱなし、持つ手はブルブル震えるわ後にも先にもあんな恐いことは無かったよ。

 おいらが自分の持ち物を取り戻してした次の瞬間、またしてもオークオラクルに捕まっちまった。何故か知らないけどあいつはいつもバードを目の敵にするんだよね。おいらは逃げたよ。でも城の通路は狭くって思うように進めない。おいらはオークどもにガツガツ削られて城を出た所でまたもやダウンしちまった(涙)。

 その後デルマイヤーがおいらに付きあってくれて、装備は無事回収。めでたしめでたしなんだけれど、今回のバトルは教訓を残すところが多かったなぁ。特に回りの状況判断と逃げるタイミングはとても勉強になったよ。とにかく死んでしまっては何もならない、どんな状況でも生き残れるバードになりたいよ。

 ●おいらの耳元で囁く謎の人物、おいらは彼を知らないけれど彼はおいらを知っているって?さてその正体やいかに!次回「ケレシンに天使を見た日」に続く。


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