第26章 関が原 暮之刻

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関が原暮の刻

百花文(伝心で話は聞いていました。澄姫さんがいるみたいですね)

ファイテン「そうだね。前の私なら、きっと周りを見ずに急いだのかもだけど」

ファイテン「落ち着いて話すためにも、まずは門を閉じないとね!」

百花文(かくりよの門までの距離はそこまでは長くないようですね)

ファイテン「それでも、瘴気はかなり濃いね。時間帯のせいかな・・・?」

百花文(それもありそうですね・・・あやかしも亡霊武者に加えて色々と出てくるようですね)

百花文(あのつるべ落としも確認されています)

ファイテン「つるべ落としかぁ・・・びっくりするんだよね、あれ」

百花文(私は結構可愛いんじゃないかと最近は思い始めてます・・・)

ファイテン「そ、そうなんだ・・・さて」

ファイテン「それじゃ・・・!澄姫に会いにいこうかな!」

先遣隊「守護者の影響を受けているため、最近は風が止むことが無いそうだ」

旅人「今日は風が強く吹いてて、本当に寒いくらいだわ」

武士「ここまで一緒に旅してきた馬が急に倒れてな。無理をさせてしまっていたのだろうか」

旅人「ちょっと山をなめてかかってしまったようだ。一旦、街まで戻って準備してこようかな」

行商人「腹が減ってはなんとやら。備えあれば憂いなしですよ」

旅人「ここに私の家族が眠っているから、あやかしに取り付かれないように見張っているの」

旅人「ここに住んでいる方に会いに来たけれど、どっちの道だったかしら・・・」

武士「私は静かに暮らしたい。ここにあるものは好きに使って構わないから、かくりよの門を早く閉じてきてくれないか」

旅人「つむじ風が起きると馬が死ぬという噂をよく聞くようになったな」

女将「ただでさえ人里離れた場所なのに、あやかしが出るんじゃ商売上がったりだよ」

武士「ここの団子が好きで通っているが、近頃は背筋がゾッとすることが多いんだよな」

旅人「陰陽師の方がかくりよの門を閉じてくれたのに、どうしてまた開いているんだろう・・・」

【関が原 暮之刻 守護者前】

百花 ファイテン 澄姫

土御門澄姫「久しぶりね、ファイテン」

ファイテン「本当に久しぶりだね、澄姫!」

ファイテン「この間は声だけだったから、こうして会うのは本当に・・・」

百花文(澄姫さん・・・)

土御門澄姫「方位師とは、相変わらず仲良くしてる?」

ファイテン「うんっ!いつも助けられるけどね・・・」

土御門澄姫「大丈夫よ、きっと文もあなたに沢山助けられているから」

ファイテン「そ、そうかな・・・」

土御門澄姫「ファイテンはそう言う人間よ。私が保証するわ」

百花文(えっと、ファイテンさん。澄姫さんの様子が・・・)

ファイテン(うん。少し違うよね。澄姫らしくない、かな)

土御門澄姫「ここの守護者は【頽馬たいば】馬に取り憑き、馬を殺すあやかし」

土御門澄姫「【馬魔ぎば】と呼ばれることもあるみたいね」

土御門澄姫「古戦場と言う土地柄のせいか、武者のような姿もとっているわ」

ファイテン「澄姫は、討伐したんだよね?」

土御門澄姫「ええ、これからあなたも討伐するのよ?」

ファイテン「うん・・・」

土御門澄姫「風属性と呪属性の攻撃もあるけれど、今のあなたならきっと大丈夫」

ファイテン「澄姫!その・・・」

土御門澄姫「門を閉じて学園に報告したら、校舎裏に来て頂戴。そこで、話をしましょう」

ファイテン「うん・・・わかった」

土御門澄姫「待ってるわよ。ファイテン」

【逢魔時退魔学園】

ファイテン 三善

ファイテン「関が原のかくりよの門、閉じてきました!」

三善先生「あ、あぁ・・・」

ファイテン「それじゃ、私はこれで!」

三善先生「待てファイテン!報告はそれだけでは・・・」

・・・・・・

三善先生「全くあの子は・・・」

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吉備校長「仕方あるまい。今までむしろ良く自分を抑えたと思っておるよ」

三善先生「校長先生。土御門が来ていると言う話は・・・」

吉備校長「本当じゃ。学園の結界に反応があったのでな」

吉備校長「隠そうとしなかったところを見ると、ワシが止めるとも思っておらんのじゃろう」

三善先生「本当に、あの二人は・・・」

吉備校長「今は流れに任せるしかあるまい。それに八重、ワシからもオヌシに話がある。ちょうどよい時間だと思っておるよ」


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