「オリハルコンとやらのことも含めて、ここで調べられる事がこの程度なら、事態は進展しそうもないなぁ」
わしの報告を聞くとあきんど胡雪岩はそう残念そうに呟いたんじゃ。竜宮の近衛兵隊長を倒したところで事態は変わらなかったのだ。
「しゃあないな、藁にもすがるつもりで趙高っちゅう奴に頼むしかないようだ。そいつは竜宮に捕われた事があるんだよ。」
「趙高はもともとひねくれ者で、ずる賢くて、強欲な奴じゃったが、竜宮へ行って来てからは更に重症になってな。じゃけど奴のもっておる情報が今は数少ない手がかりになるはずだ。気は進まないがあいつをおだてて情報を集めて来て欲しいんじゃ。」
「なんだお前は? 何? 俺に竜宮について教えて欲しいって?ぷはははは!やっぱり人間は卑しいな。」
でっぷりと太った肉まんじゅうのような男が卑猥な笑いをあげたんじゃ。 なんともムカつく男だよ。ユリアン まるで自由惑星同盟のヨブ・トリューニヒトのような奴だ。
「おい、そげなにイヤな顔をすんなよ。用があるのはお前の方じゃろう?」
「お前、世界中で発見される4大結晶のことは知っておるか?そこに眠る力をまともに引き出せる技術力をもった文明がたった二つだけあったんだ。その一つが竜宮で、もう一つは名前は知らんがとてつもなく強大で、最先端の技術を持った恐ろしい文明じゃったそうだ。そんでな、竜宮側がその魔法文明にケンカを売ったらしいんだよ。」
「じゃけど、その魔法文明の方は竜宮をいとも簡単に踏みにじり、竜王を降伏させたらしいんじゃ。結局竜宮は属国にされて変な装置まで設置されてしもうたんだ。」
「ところで、今の竜王は昔、強大な文明に降伏した竜王じゃないんだ。竜宮内部で反乱が起きたってことだな。じゃけえ、今の竜王は反乱軍の頭領なんだ。」
「で、こげなに色々教えてやったのにお礼もないのか?あの胡雪岩とかいうあきんどに伝えておけ!これ以上しりたけりゃ、最低100万G寄こせってな!」
気は進まないが 取りあえず、あきんどにこの事を伝えに行こうんじゃ。