まだ人が
暗闇に妖を見て、
自然に怪を感じ、
日々を暮らしていた時代。
「あやかし」と呼ばれる妖怪は、
人の前に姿を
見せることは無かった。
だが__
「かくりよの門」
人の住む「うつしよ」
妖の住む「かくりよ」
この二つを隔てていた門が、
何の前触れもなく開いてしまう。
それまで
口伝や伝承の中だけの
存在であったあやかし。
かくりよの門より現れた
それらは世に溢れ、
瞬く間に国中に広がり、
人々の生活を脅かしていた。
式姫を使役し、古くから
この国を支えてきた陰陽師。
彼らと式姫たちだけが、
あやかしに対抗する
力を持っていたのだった。
逢魔時退魔学園(おうまがときたいまがくえん)
新たな陰陽師育成のために、
急遽創設された学園。
街と言っても差し支えのないほどの
規模を持ち、
日々陰陽師の卵を育成している。
そんな中__
一人の学生が
「陰陽師」
としての活動を
開始しようとしていた__
世の中を救う。
自らの腕を磨く。
名声を得たい。
そのどれとも違う
目的を胸に抱いて__
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