第1章 プロローグ

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まだ人が
暗闇に妖を見て、
自然に怪を感じ、
日々を暮らしていた時代。

「あやかし」と呼ばれる妖怪は、
人の前に姿を
見せることは無かった。
だが__

「かくりよの門」
人の住む「うつしよ」
妖の住む「かくりよ」
この二つを隔てていた門が、
何の前触れもなく開いてしまう。

それまで
口伝や伝承の中だけの
存在であったあやかし。

かくりよの門より現れた
それらは世に溢れ、
瞬く間に国中に広がり、
人々の生活を脅かしていた。

式姫を使役し、古くから
この国を支えてきた陰陽師。
彼らと式姫たちだけが、
あやかしに対抗する
力を持っていたのだった。

逢魔時退魔学園(おうまがときたいまがくえん)
新たな陰陽師育成のために、
急遽創設された学園。

街と言っても差し支えのないほどの
規模を持ち、
日々陰陽師の卵を育成している。

そんな中__
一人の学生が
「陰陽師」

としての活動を
開始しようとしていた__

世の中を救う。
自らの腕を磨く。
名声を得たい。

そのどれとも違う
目的を胸に抱いて__

逢魔時退魔学園

リダ ファイテン すずのすけ


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