目標を達成する為には、まず最初にゴールにいる自分をリアルにイメージすることが大切であるということは良く知られています。そのイメージに幸福感をセットにすると、脳はよりポジティブにその状態を実現しようとするそうです。
幸福な状態というのは、いわゆる脳内で分泌されるセロトニンやドーパミンという幸福物質が生成されている状態ですが、その状態に経験が結びつく事で、「幸せな体験をした」と脳が認識するわけです。
抗鬱剤として知られるセロトニンですが、これらはホルモンの一種で「セロトニン」はセロトニン神経から、「ドーパミン」はドーパミン神経から、それぞれ分泌されます。
これらの物質が正常に分泌されていれば、人はポジティブな気持ちになれるわけです。 ではこの幸せ物質、どうやったら増やす事ができるのでしょうか?今日はそんなお話をしたいと思います。
腸が幸せの原料をつくっている
幸福感は脳が支配していますが、幸福物質の原料となるモノは実は腸内で作られていたんです。いわゆるトリプトファンと呼ばれるたんぱく質に含まれる物質が、セロトニンの原料であり、これらは以下の食品に多く含まれています。
★トリプトファンの含有量(食品100g当たり)
- バナナ 10mg/100g
- 豆乳 53mg/100g
- 牛乳 42mg/100g
- ヨーグルト 47mg/100g
- プロセスチーズ 291mg/100g
- ひまわりの種 310mg/100g
- アーモンド 201mg/100g
- 肉類 150〜250mg/100g
- 赤身魚 200〜250mg/100g
- 糸引納豆 242mg/100g
- すじこ 331mg/100g
- たらこ 291mg/100g
- 白米 89mg/100g
- そば 192mg/100g
ところが、いくらトリプトファンをたくさん取っても、腸内細菌が少なければ「セロトニン」は増えないのです。幸せは健康な腸と脳のコンビネーションがあって始めて実現できるのですね。
また、腸には迷走神経という大きな神経が埋め込まれていて、研究では、その繊維の最大90パーセントまでが腸から脳へと情報を運んでいることが明らかになっているそうです。 つまり脳は腸からの信号を感情として解釈しているとも言えますね。
実際、自閉症などの患者さんには腸内細菌の不足や腸のバランス不全が見られるとのことです。 これで分る通り、幸福感は腸内環境を整えることが不可欠なのです。腸内環境と言えばビフィズス菌を含む食品ですが、毎日違う種類のヨーグルトを食べる事は腸にもいいし、トリプトファンの摂取もできて一石二鳥ですね。
幸福の思わぬ落とし穴
以上のような過程で幸福物質は作られますが、その物質を放出するきっかけは様々で、実は食べると言う行為でも放出されることがわかっています。 例えば、脂肪は、ドーパミン放出のきっかけとなり、幸福感や喜びを増加させる。一方で、炭水化物は、幸せ神経伝達物質セロトニンの放出を促します。
ストレスがたまると大食いしてしまうというのはこう言ったメカニズムがあるからなのですね。
しかし、ダイエッターは気をつけなければなりません。あくまでもスリムな体型になった未来像に幸福感をリンクさせ、ダイエットすることにセロトニンの放出のきっかけを結びつけたいものです。食べて幸福になるか、スリムになって幸福を感じるかは最初のイメージ付けにかかっていますね。
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