#1「メドレーソングって?」
#2「ニューファイティングスタイル」
#3「謎の新種のオーク」
パーティウインドウから5名の名前が一斉に消えたのは、おいらがレギオン閣下にやられてすぐのことだった。死ぬのは今日2度目。オーク共に好かれるのは毎度の事なんだけど、いいかげんどうにかならんもんかね、この現状は(涙)。
実は今回、おいらは密かなテーマを持って戦闘に挑んでいる。それは歌を次から次へと変えて唄うメドレーソング(別名ソングコンボ)に挑戦しようと思っているんだ。具体的にいうと歌の効力が発動されたらその歌をキャンセルして次の歌を歌い始める。そうすることによって画面には最高で3曲のアイコンが並べることが出来るんだ。
もちろんアイコンは一定の時間の後消えてしまうから、戦闘中それをずっと繰り返すんだ。手にはストリングスを持って回復系の歌を重点的に唄い、同時に戦闘速度を上げ、場合によっては魔法防御を加える。おいら一人でバード3人分の働きができるからパーティはかなり強力になる・・・・・・はず。
そう、理論的にはそうなるはずなんだけど、実際はおいらがタコ殴りにあってしまって死んでしまうことが多い。これは戦闘中の立ち位置にも原因があって、直接攻撃に参加したがるおいらの性格が災いしてしまうんだな。攻撃を食らうと歌が解除されちゃうから、メドレーソングもうまく唄えなくなるってわけ。
タンクがいないときは仕方ないけど、いるときはキャスターになりきるだけの落ち着き必要だね。専業魔法使いを見ていると戦闘中でも瞑想とかし始めるものね。 ま、そんな反省をまじえつつ死体回収にオークキャンプへ戻ると、リーダー以外のメンバーはすでいいなかった。
タモンザー(Tamonzar):ポポ助もう一度組み直そうよ。 Lv10モンク・タモンザーが声を掛けてきた。
ポポ助(poposuke):OK、よろしくぅ。
さっきのパーティは魔法系中心のグループだったから彼とおいらがタンクを受け持っていたけど、戦士がいないとつらいよね。そうこうしているうちに、 タモンザーが戦士に話をつけてパーティは3人に。うーん、リーダー様々だね。
よーし、戦士が入ればこっちのものさ。これで殴られずに済むからね(笑)。
ニューファイティングスタイル
貴重なタンクを得て、これでメドレーソング完成かと思い気やこれがなかなかうまくいかない。戦闘が始まると焦ってしまって、歌が終わっていることに気づかなかったり、選曲を間違っていたり、メドレーソングって思った以上に難しいことが解ったよ。
でも、バードを目指す以上メドレーが唄えなくては一人前とは言えない。タイミングがつかめるまで何度も繰り返すしかないんだよね。
パーティの方はバード・ポポ助とモンク・タモンザーを中心に戦士・キザム(Kizzam)、ネクロマンサー・モアティックス(Mortix)、盗賊(Rogue)・シャンク(Shannk)を加え徐々に盛り上がりを見せ始めた。ローグ・シャンクは前回も組んでいて必殺技のBack stabsを持っている。
それから観察していて気づいたんだけど、ネクロマンサーって特だよね。ペットの骸骨を戦わせている間に座って瞑想が出来てしまうんだよ。ネクロは骸骨に武器を持たせる事もできるし戦力的には申し分ないよ。
調子に乗ったタモンザーファミリーは湧いて出るオーク共をザクザク倒し、屍の山を築いていったよ。さらにパラディン・ケライゲン(Kerrigon)の加入で殴り系フルパーティの完成。この頃になると、おいらのメドレーソングも三つのアイコンをコンスタントに表示できるくらいになってきた。
殴りに参加する余裕はないのでメドレーのみの専業歌唄いなんだけど、回復、攻撃力アップ、キルソングによるダメージとパーティ全体の戦力アップに貢献出来たと思うよ。しかもポップアップするNPCをいち早くターゲットする技を会得したよ。
Fキーの8を押すといちばん近いNPCをターゲット出来るんだ。知ってはいたんだけどついついマウスで選択しちゃうんだよね。すると間違って仲間の装備を覗いたりしちゃってさ、いつもあたふたしちゃっていたんだ(笑)。しかし、これで自分の立ち位置を一歩も動かないで即座に戦闘に参加できるようになった。 おいらのニューファイティングスタイル完成さ。
謎の新種のオーク
どのくらいこのパーティで狩をしていたんだろう。ネクロマンサー・モアティックスが抜け、新たに女パラディン・ナリニア(Nalenea)が加入。EXPバブルが1から5になるくらいの間だからかなりの時間オークキャンプにいたことになる。パーティが解散するきっかけはパーティの全滅とかが多いんだけど、このグループはとにかく強くってその気配は全然なかったよ。
でも長い時間プレイしていると必ず油断が生まれてくるのは毎回のこと。今回の山場はパラディン・ケライゲンがパーティから抜けた直後に起こってしまった。
レギオン閣下の突然の登場でモンク・タモンザーのHPが半分ほど持っていかれたところへ、隊長オーク3匹とライオネスの乱入で全員のHPがガタガタになってしまった。
その場はどうにか収まったものの。今度は若熊(Yang Kodac)とタランチュラ(desert_tarantula)と隊長オーク(ORC_CENTURION)数匹が乱入。大したことはないと高をくくっていたら、 Rord Shin Reeっていう新種のオークが中に交じっていたんだ。
おいらそいつに気づかなくってコダックなんかと戦っていたら、モンク・タモンザーがあっという間に倒されてしまった。こいつはレギオン閣下なんかよりもよっぽど強い。一撃で30から40ポイントをたたき出す凶悪な奴。くそう、Heal songがもう少し早かったらと思うと悔やまれて仕方ないよ。
続いて戦士・キザムが奴の手に倒され、Rord Shin Reeの標的は女パラディン・ナリニアに向いた。盗賊シャンクは何故か雲隠れしてしまい。パーティはほとんど半壊状態に陥ってしまった。おいらは2バブルを切った段階で「神足の歌(Selo’s Accelerando)」に切り替え、ワンバブルになった所でダッシュをきめた。
くっついてきたのは隊長オークが2匹だったが、女パラディン・ナリニアは奴の手に倒された模様だった。おいらはとにかく逃げた。神足の歌とは言えワンバブルを切った状態での加速は難しい。2匹のCENTURIONの攻撃を首の皮一枚で交わしながら逃げていくと、向こうから白い狼がやってきたんだ。
その白い狼はおいらのトレインをみるやいなや後を追いかけてきて、おいらにHealを施してくれたんだ。こうなりゃこっちのものさ。おいらの足は彗星のごとく加速し始めた。考えてみれば隊長オークなんて一人でもやれたんだけど、おいら気が動転していたんだね。取りあえゾーンアウトしてから白い狼にTellを入れたんだ。
ポポ助:ありがとう、助かったよ。
白い狼:もし君が止まってくれたなら、奴等をやることが出来たのにな。
ポポ助:そうに違いないね。ほんとでも感謝するよ。
その後のパーティはまた元のようにオークの山を築いていったんだけど、あの一度の油断が今でも悔やまれる。おいら達バードはいつも全体を見渡せるポジションを取らなきゃいけないって思ったよ。そしてメンバーがどういう状態なのかを常に把握して手薄な部分を補強。それが出来てこそ一人前のバードなんだろうな。メドレーソングは歌えるようになったけどまだまだ修業が足りんよ。
●さて、レベルが上りおいらもイーストコモン(EC)を去るときが来た。次なる狩り場をウエストコモンに定めた吟遊詩人ポポ助に待ち受けるものは?次回「青い光に魅せられて」に続く。